2017年7月24日月曜日

めぐみ館通信 2017年7月20日 第81号

夏休み目前
 前期もあと数日で終了です。第2定期テストを終えて、夏休みの帰宅を楽しみに待ち望むめぐみっこたちです。人と人とのつながりの温かさを感じることの多い4ヵ月でした。今年度のめぐみ館の事務室は、学年を超えての交わり、にぎやかな笑い声であふれている日が多かったとあらためて感じます。
 先日、こんなうれしい話を聞きました。「昨日の夜は、先輩と布団を並べて眠たんです。とってもうれしかった。」と話す1年生。当事者の先輩曰く、「私も1年生の時に、先輩にしてもらってとってもうれしかったから、同じようにしたいと思っていました。やっと実現出来ました。」と、こちらもまたとってもうれしそう。「私も、後輩が来たら、同じようにしたいです。」と1年生も笑顔で語っていきました。
 してもらったうれしい経験を受け継いでいく。こんな幸せな継承はないと思います。寮生活ならではの中でのうれしいつながりを実感しながら、関わりを深めていってほしいと願っています。
 3年生は、進路に向けて本格的に取り組んでいます。2年生は、世代交代の時が迫ってきたことを意識しながら、学年の話しあいを深めています。1年生もそれぞれの関わりが広がりつつあります。
 人と人とのつながりの中で、心揺さぶられながら、自分を見つめ、成長していく姿が楽しみです。寮教育に携わる者として、私も共に心揺さぶられながら、豊かに歩んでいきたいと思います。(小菅)

 

 

 

~星に願いを~
 七夕の時、短冊に思いを記す乙女たち。恋の願いから、世界平和まで……思いは多岐に広がります。こんなひと時を共にできることにも幸せを覚えます。

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礼拝のお話


「敬和の空気を作り出せる一員に……」  H.W

 私が敬和を知ったのは中学2年の時でした。その頃の私は、人間関係のことなどで悩んで、苦しい毎日が続いていました。“このままではだめだ”“高校でも同じことを繰り返してしまう”と思い、母に相談しました。そして母は、母校でもある敬和学園を紹介してくれたのです。私は、敬和に興味を持ち始め、先生に聞いたり、自分で調べたりしているうちに、“一人ひとりを大切にする!”“個人を尊重する”という方針の学校を知り、実際はどんな学校なのか見てみたくなり、オープンスクールに参加することにしました。オープンスクール当日、私の印象は“キリスト教系の学校”ということ以外は、“普通の学校だな”“地元の高校と変わらないかも”という感じでした。
 ですが、校長先生のお話、学校案内、部活動見学など、敬和の内面を知っていくうちに、今までずっと胸の中にあったモヤモヤした感覚がなくなっていくのを感じました。こんなに良い空気を作り出せる敬和ってすごいな!私もこの空気を作れるようになりたい!と思い敬和への入学を決めました。私は、まだ敬和の空気を作り出せる一員にはなれていないと思いますが、これからの学校生活の中で、自分なりの敬和の空気の作り方を知っていけたらいいなと思います。

 

 

「敬和の生活の中で……」  Y.M
 私が敬和に来た理由や、今思っていることなどをお話しようと思います。私の家族には、兄と従妹4人敬和の卒業生がいます。4人は良く私に敬和での楽しかった思い出を話してくれました。その話を聞いていくうちに私も敬和に行きたいと思いうようになりました。4人ともみんな「敬和に来てよかった」と言っていて、つらいことや嫌なことはもちろんあったと思うけど、卒業する時、敬和に来てよかったと思える高校はとてもステキだなと思いました。
 私も敬和に来て、卒業する時、「敬和に来てよかったと思える3年間」にしたいと思います。そのためには勉強、寮での生活、部活を一生懸命頑張っていきたいなと思います。
 ゴールデンウイークに家に帰った時、いつもケンカばかりしていた兄と少し仲が良くなった気がしました。その様子を見ていた母に、面倒くさく、ちょっかいを出してくる兄にイライラしてすぐにキレていましたが、私がキレなくなったから、ケンカがなくなったと言われ、少し高校生になり気持ちも落ち着いてきたのかなと思いました。
 中学校の時は、すぐにイライラして母と言い争いになったりしましたが、今寮生活をしていて、朝早くから夜遅くまで働いていて、家の家事をしていた母にはすごく感謝しています。夏休みは、家に帰った時、前よりもたくさん家の手伝いをしようと思います。敬和に来て気づけたことが多く、本当に敬和に来てよかったと思います。これからの高校生活もがんばっていけたらいいなと思います。

 

 

「人と人との関わりを持ちながら……」  K.H
 私の中学時代のことと、これから変わっていきたいことについてお話をしたいと思います。私は中学時代、人間関係でとても悩みました。それが原因で学校に行けなくなった時期もあります。当時辛いという感情しかなく、回りを責めてばかりいましたが、今思い返えしてみると、自分自身にも問題はたくさんあったことに気がつきました。私には、人に対して壁を作ってしまうところがあります。「この人は、私と考え方が違う」と感じたり、「私のことを嫌っているかもしれない」と思ったりすると、途端にその人と関わることが怖くなって、その人との関係を諦めてしまうのです。
 中学で仲の良かった人たちに突然避けられ始めた時も、私は相手がどうして自分を避けるのか知ろうともせず、その人たちとの関係を諦めました。ずっと限られた人間関係の中で生きてきた私は、あまり話したことのない人には壁を作ってしまって話しかけられず、かと言って、一人でいることのできる強さも持っていませんでした。
 “このままではいけない”“変わりたい”と思いました。そんな時に敬和の存在を知り、オープンスクールへ参加しました。校長先生や生徒さんのお話を聞いて、「誰とでも平らに話せて、一人でいることもできる。そんな風になりたい」と思いました。正直、私はまだ変われていません。人と関わることは怖いし、限られた人としか話せていないと思います。でも、私はもっといろんな人と関わって、いろんな人の考え方に触れてみたいです。時間がかかるかもしれないけれど、自分が作っている壁を少しずつでも壊していけるといいなと思っています。
 お話の原稿を考えていて、こうして自分について考えることができたのは、“中学時代に悩んだおかげだな”と思いました。あの時はすごく辛かったし、もう一生悩みたくないと思っていたけれど、悩んだおかげで辛い人の気持ちが分かるようになったし、支えてくれる人たちのありがたみに気づくことができたと思います。多分、これからもいろいろ悩むと思うけれど、辛い経験から学べることもあるということを忘れずに生きていきたいです。

 

 

「オアシスのような存在に ~大切にしたい敬和での時間~」  N.R
 私には将来の夢があります。その夢とは「助産師」になるということです。この夢を持つようになったきっかけをお話したいと思います。
 私は、5人きょうだいの末っ子です。1番上の姉とは12歳も年が離れています。姉には、2人の子供がいます。姉の出産年齢が若かったということもありますが、私は小学4年生の時に、“おばさん”になりました。姪が生まれる前は、姉とは年が離れすぎているため共通の話題がなくあまり話をせず、長男の兄は反抗期真っただ中だったので、いつも私と次男の兄に当たってきました。次男の兄とは、何かにつけて殴り合いの大ゲンカをしていました。なので、妹が欲しいとか、一人っ子が良かったとか、こんな家いやだと思っていました。
 そんな時、姪が生まれました。生まれたての赤ちゃんを抱っこした時、緊張しながらも感動したことを覚えています。それから数年たって、甥が生まれました。甥の名前に悩む姉の姿から、私の名前の由来は何だろうと思い、母に聞いてみました。私の名前の由来は「理想のなぎさ、オアシス」という意味です。オアシスには「疲れをいやし、心にやすらぎと与える場所」という意味が含まれています。その由来を聞いて、うれしさと共に、今自分はそんな素敵な名前のように、家族や友人にとってのオアシスのような存在でいることができているのかと思うようになりました。
 高校について考え始めた時、“敬和を受験する”か、夢に近づくため地元の“看護科の高校を受験する”かで、悩みました。ですが、看護科の高校に行くより、敬和で寮に入り、貴重な体験を通して、“人として成長したい”少しでも“名前の由来に近づきたい”と思い敬和への入学を決めました。
 4月、めぐみ館に入寮して、今まで感じたことのない悲しい気持ちになったり、大好きな両親と愛犬と離れて、寂しくてなかなか眠れないことがありました。でも、3か月という短い期間でも「あぁ~ここに来て良かった」とか「生まれてきて良かった」と思うことがたくさんありました。これは、寮という不自由な生活をしているからこそ感じられることだなと思います。
 夢や目標を叶えることは簡単ではありませんが、このめぐみ館で過ごせることに感謝して、これからもがんばっていきたいです。

 

 

「表面だけでなく、中身を大切にできる人になりたい」  T.H
 姉について抱いていた気持ちをお話したいと思います。ご存知の方も多いのですが、私には3つ上の姉がいて、めぐみ館で過ごした敬和の卒業生です。小学校の頃は毎日といっていいほど喧嘩をしていました。時には、姉の権限を使い、理不尽なことをされたりして、姉に対して悔しい気持ちをたくさん持ちながら過ごしていました。
 私が中学生になった時、姉は敬和に入学しました。寮に入ったおかげで姉は少し優しくなった気がします。ですが、中学3年間が一番姉を受け入れられませんでした。何かにつけて、姉と自分を比べて、“運動が出来ない”“テストの点数も私の方が悪い”“姉は何でもこなせるのに、自分は出来ない”などを理由に姉に対して嫉妬心を抱いていました。学年が上がるごとにその気持ちが強くなり、しまいには“なんで姉の妹として生まれてきたのだろう”とか“両親には出来の悪い子だと思われている”と勝手に思い込んで、一時期、家族が嫌いになり、少しだけ辛く当たっていました。
 私が敬和に入学した理由はいくつかありますが、家族と距離を置いていろいろと考えたいと思ったことも少なからずあるかもしれません。敬和に入学し、私は気づきました。「私は、姉の何を見ていたのだろう。肩書ばかりを見て、一人の人間として、姉の中身を見ていなかった」と、それと同時に「私は私。たとえ姉妹でも、人それぞれなんだ」と……そのことに気づいたら、心の底でつかえていた物が取れた気がしました。
 そんな姉の誕生日が昨日でした。このタイミングでお話が回ってきたのは、神様の意図でもあるのかなと感じています。今では、姉とは電話をしたりして、良い姉妹関係が出来ています。そして、両親も大好きです。
 みなさんも、他人と自分を比べて落ち込んだり、他人の表面だけを見てしまったりすることがあるかもしれません。そんな時は、「人は人。自分は自分。人間は中身が大切」だということを思い出してほしいです。

 

 

 

「一人でも行動できることをめざして」  O.M
 今日は、中学の頃のことと敬和を選んだ理由をお話したいと思います。
 中学の頃の私は、一人では何もできなくて、誰かといないとダメな人でした。移動教室の時も、トイレに行く時も、どこへ行くのも仲の良い3人の友達と一緒に行動していました。私の周りのいるほぼすべての人が、一人でいることはなく、常に必ず誰かと一緒に行動していました。周りがそうだったからなのか、私は、“一人になりたい”“一人で行動したい”とは思いませんでした。一人でいることを想像もしていませんでした。
 中学3年の半ばくらいから受験勉強に集中するために、一人でいる人が多くなりました。私も勉強に集中しようと決意し、その日から“一人になりたい”と思い始めました。しかし、今まで一人でいたことがなかったために、一人になると恥ずかしく、寂しくなりました。そして私は、こんな自分を変えたいと強く願うようになりました。勉強が苦手な私は、進路先にも悩んでいました。そんな時、親が敬和学園を教えてくれました。敬和学園のホームページを見て興味が沸き、秋のオープンスクールに参加しました。校長先生の説明であった一人になれる学校という言葉に惹かれ、敬和なら自分を変えられるかもしれないと思い受験することに決めました。
 入学して3ヵ月が立ちましたが、いまだに私は一人でいることは出来ていません。やはり一人でいるのは今の私にはとても辛く感じます。しかし少しずつ一人で行動することを意識して過ごしていきたいと思っています。

 

 

 

 7月に入り、1年生もいよいよ「礼拝のお話」の順番が回ってきました。「何をお話したらいいのでしょう?」と不安そうに先輩に聞いている1年生もいました。自分の経験を通しながら、質問に答えている3年生。そんな場面を側で見ながら、彼女が1年生だった頃を懐かしく思い出しながら、一緒に過ごす中で、成長を感じる場面が多くあったぁ~としみじみと感じました。
 “敬和に入る前の私”と“今の私”について話をする1年生が多かったです。1年生全員分を順番に掲載します。これからの学校と寮生活を通して、経験を糧にしながら成長していく姿がとても楽しみです。(小菅)