2017年6月6日火曜日

めぐみ館通信 2017年6月3日 第79号

共に積み重ねる時間の中で 
 第1期の定期テストを終えてほっと一息つきつつも、英検、課題、そしてフェスティバルの準備と次の目標に向けて生活する生徒たちです。
 特に3年生は、進路決定とフェスティバルと課題に、同時進行で向き合いながら過ごす毎日です。フェスティバルの部門チーフの責任を担っている生徒が多くいます。誠実に向き合い進めています。

0603_me01 新年度がスタートして2ケ月。1年生も生活のリズムが整いそれぞれのペースを見つけながら過ごせるようになってきました。生活を共にする仲間との関わりも築かれてきています。楽しくやり取りをする姿からは、ほのぼのとした気持ちになります。「寮に帰ってくるとほっとする」と、事務室でアイスをほおばりながら話す1年生です。反面、関係性が築かれていく中で、疲れ、悩みも見え始めています。“本当の意味での寮生活”のスタートだと私は感じています。関わることでしか、関係性は築かれてはいきません。また、自分を大切に思える生活も深めてほしいと願っています。
 1年生15名がそれぞれを受け入れ合い、認め合っていく中で、どんなチームの形になっていくか楽しみです。
 2年生もこれから、ミーティングを重ねていこうと意欲的です。「もっともっと、私たちは、話し合っていこう!」と頼もしい声が聞かれます。「もっと、関わり合わなきゃだね。関わることで、もっと相手を知ることが出来る」表情がイキイキしています。1年間の関係性が活かされてきていることをうれしく感じました。
 フェスティバル後は、部屋替えが予定されています。次の部屋替えは、進路に向けて3年生部屋と、1,2年生の部屋となります。“気づかいをしながら、居心地のよいめぐみ館”をめざす彼女たちと、共に生活をし、携わる一人としてしっかりと関わり、サポートしていきたいと思いを深めています。(小菅)

 

 

 

受け継がれる”ムーンライト”

0603_me02 アイスクリームをベースに、好みのお菓子をトッピングしながら作りあげる“ムーンライト”女子寮伝統の手作り菓子です。
 シンプルに見た目も、味も良いものから、「えっ!この食材をトッピング?」と完成したムーンライトは、独創的です。味もともかく、同じ部屋の先輩と後輩とで一緒に作り上げることが、何よりもうれしいことなのだと、彼女たちから伝わってきます。 先日「是非、味見して」と差し出された、”おせんべい、チーズ、海苔“入りのムーンライトは想像を超える表現しにくい微妙な味わいでした。そんな表情をにんまりと覗き込む、笑顔の彼女たちでした。(小菅)

 

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礼拝のお話
「幸せに気づいた時、気づく時」  3年 T.A
 誕生日を迎え、気づけば18歳になってしまいました。全くと言っていいほど実感がなく、自分の精神年齢は未だに小学校4年生で止まっている感じがします。考え方もすることも“小学校の頃の自分”と“今の自分”とで私の中では、そこまで変化がないからです。
 それが良いのか、悪いのかは分かりませんが、現時点では良いと思っています。なぜなら“昔の記憶”や“思い出”や“経験”が今の私を作り、支え、糧になっていると分かったからです。敬和で生活する以前は、自分でどんなに恵まれて幸せな生活を送ってきたのか、うっすらとしか気づけていませんでした。
 全く知らない人、価値観の違い、初めての土地。今までとは真逆の世界に一人で来て、個性的すぎるともいえる敬和生と過ごす。これが一時期とてもキツイ時がありました。しかし、最近この世界を知ったからこそ、以前の生活が幸せだったということに気づくことが出来たのだと思うようになったのです。自分にとって“ツライ”=“損”だという思考が変わってからは、とても過ごしやすくなりました。敬和での生活を送らなければ、幸せを幸せだと気づかずに今後の人生を送ることになっていたと思います。
 幸せに気づいてから、私は地元の友達の見方が“友達”から“自分の人間性を作ってくれて、同時に幸せをくれた友達”という風に変化しました。“幸せ”に気づいてからは、「こんな幸せな人生を送ってきた自分」は大好きだな、“T.A”として生まれてきて良かったと思うのです。もっと細くて、かわいい人に生まれたかった!なんて思うこともありますが、こんな幸せな人生を送れている自分のままでいいと思うのです。多分、敬和で“ツライ思い”や“経験”をしなければ、私は幸せを当たり前に感じていました。
 地元と敬和を体験したからこそ、地元の友達を、そしてもちろん両親や祖父母も今まで以上に大切にするようになりました。
 それと同時に私にとっても、それを気づかせてくれた“敬和の友達”もとても大切な存在なのです。
 以前の私からは想像できないし、自分でもすっかり忘れていたことを中学時代の日記を読み返して思い出しました。内容は「早く寮に入りたい。早く新潟で過ごしてみたいな!」というものでした。読み返すまでは、早く家に帰りたくって、地元の友達に会いたくて仕方がなく、学校生活を憂鬱に感じていた私ですが、一気に寂しい気持ちになりました。
 地元を離れて全く違う土地に来たからこそ、地元の良さに気づけたのです。ということは、敬和を離れた後に“敬和の良さ”に気づくのではないかと思うようになり、怖くなりました。
 “離れてから気づく”そんな後悔はしたくありません。敬和で過ごしているうちに幸せに気づくことが、一番の幸せだからです。今はなくても、過去にあった人でもかまいません。そういう人には、一度違う角度、方向からそのイヤなことを見てください。私のように幸せを発見し、イヤだったことまで大切に思えてくるかもしれません。人生に必要のなかった経験などないと感じると思います。きっと何らかの形であなたの糧になっています。

 

 

 

◇◇◇ おいしいリンゴジュースありがとうございました。◇◇◇
0603_me07 弘前市在住の卒業生から、のぞみ寮にたくさんのリンゴジュースをいただきました。めぐみ館でもみんなでおいしくいただきました。飲むだけではもったいないと、“リンゴゼリー”“リンゴシャーベット”を作りいただきました。「これなら、気にせず食べられる…」と、ヘルシーさに安心しながら、次々に彼女たちの口に運ばれてお皿はあっという間に空になりました。

 

 

 

 

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