2017年4月27日木曜日

のぞみ通信 2017年4月25日 第227号

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「感謝、出会い、願いを生きる ~出会いを課される場で~」

寮長 東 春也

 今日入寮される50回生の皆さん、入寮おめでとう。心から歓迎いたします。
 今日は、三つのことを話します。一つ目。私たちは、歴史的にまた世界的に見れば、本当に恵まれた環境の中に生きる、ごくごく少数者の中の一人であるということです。私たちは明日、兵士として戦場に行くことも、空爆に怯えることも、「踏み絵」を踏むかどうか悩むことも、キリスト教徒ゆえに競技場で猛獣と格闘を強要されることもありません。私たちには何の生命の危険も、戦争も、迫害も、飢餓もないのです。この事実を実感し、感謝することができないとしたら、それは私たちの感受性と想像力の低さの問題です。こんな日本海岸の地の果てに連れて来られた!と思っていませんか。第2代校長のモス先生は、この太夫浜の自然に感動して、ここを「quiet beautiful place!」と言いました。春の朝は鳥のさえずりで目を覚ますことができます。「この現実を感謝して」生きていきましょう。
 二つ目。こののぞみ寮はとてつもなく崇高な「教育のねらい」をもっています。それは、「生徒一人ひとりがここで他者と、自分と、そして神様と出会う」こと。その中で、一人ひとりの成長を通して、他の何者でもない、かけがえのない「私になる」というものです。だから、ここのぞみ寮は、あえて言うなら「他者と出会うことを課される場」です。なぜ「出会い」が大切なのでしょうか。敬和学園の教育課程には「キリスト教による人格教育」を行う学校だとあります。皆さんは他の何者にも代わることが出来ない人格をもっている。そして、その人格を磨き、人として成長するためには、他者と出会い、他者の人格で磨くしかありません。つまり人間関係の中でしか人は成長しない。だから、人は一人では生きていけないのです。出会いを通して、神を敬い、人を愛することのできる人間になってほしい。
 三つ目。新入生の皆さんに聞いてみたい問いがあります。それは、皆さんの中に「生きてこなかった自分」はいませんか?本当はこう生きたかったけど、何かの理由でそう生きられなかった自分はいないでしょうか?聖書には、「主はあなたの心の願いを叶えてくださる」とあります。神様は私たちの願いに応えたい、と思って下さる方なのです。だから、心からの願いを神様に言ってごらん、と聖書は言っているように思うのです。今まで、本当はこう生きたかったのに、「生きてこれなかった自分」がいるとすれば、これからは「生きたい自分」を生きてほしいのです。そのためには、敬和学園ののぞみ寮はもってこいの場です。
 50回生の寮生活という冒険が始まります。でも一人ではありません。一緒に生きる仲間がいます。これから共に歩んでいきましょう!ようこそのぞみ寮へ!

 

 

 

入寮礼拝 ~新入生代表あいさつ~

「期待と不安の寮生活」  W.Y(みぎわ館1年 福島県出身)

 私は福島県の会津若松市から来ました。県外ということもあり、不安な気持ちでいっぱいですが、それ以上に楽しみな気持ちもあります。そんな期待と不安が入り交じる複雑な気持ちを、入寮生代表のあいさつとしたいと思います。
 私にとって新潟での春を初めて迎える今日、のぞみ寮の一員となれることを心から嬉しく思っています。これから寮生活を始めるにあたり、一番の不安は、初めて親元を離れて生活するということです。今まで親にしてもらっていたことを、全部自分でやらなくてはならないのだと思うと、本当にできるのだろうかと心配になります。準備のために、冬休みから洗濯だけは自分でやってみました。けれども「面倒だから」と、つい親に甘えてしまうことも少なくありませんでした。こんな自分でも大丈夫なのかと、とても心配ですが、例えば自分の身の回りをいつもきれいにするというような小さなことでも、目標を持ってしっかりやり、日々楽しみながら自分でできることを、一つずつでも増やしていきたいと思っています。
 また顔も名前もわからない初めて会う人たちがほとんどの寮生活ですので、心細く、さびしいという思いも正直ありました。でもそんな時、同じ部屋の先輩方から優しいお手紙をいただきました。とても嬉しく、不安がやわらぎました。そして三年間で多くの人たちと素敵な出会いがあり、どんな思い出が作れるのかなと思うと、のぞみ寮での生活が少しずつ、楽しみになっていきました。また毎晩、礼拝があるということも私にとっては大きな喜びのひとつです。
 私の場合、寮に入りたいと思った理由はただ一つ、それは「自分が変われる!」と強く思えたからです。私は様々な局面で、つい自分の本心をかくし、「周りに合わせよう」とか、「誰かについていこう」と思ってしまいます。自分の意思があいまいになることがよくあるのです。そんな自分が嫌で、これを直したいとずっと思い続けてきました。そして、寮を見学した時になぜかワクワクして、まだ敬和への進学の気持ちが定まっていなかったこの自分が、心から「入寮したい!」、「ここでなら変われそうだ!」と強く思うことができました。言葉で言い表すことが難しい、不思議な気持ちになったことを、今でも鮮明に覚えています。私にこうした決心をさせてくれたのは、まぎれもなくそのとき出会った先輩たちの素敵な笑顔でした。
 右を見ても左を見ても新しいことばかりで、わからないことだらけの寮生活のスタートですが、同時にワクワクもしています。今日ここにいる一年生のみんなもきっと私と同じような心境ではないでしょうか。不安なのは自分だけではない、今日入寮した仲間たちもみんな一緒なのだと思うと、不安な気持ちも軽くなります。ここで出会えた仲間たちと共に悩みながら、先輩方や先生方に助けていただいて、一つひとつのことを乗り越えて、大きく成長していきたいと思います。
 これから私たち一年生は寮生活に慣れることに多くの時間がかかり、先輩方や先生方に迷惑をおかけすることがあるかも知れません。でも私たちなりに精一杯頑張ります。寮見学でお会いした先輩方のようなステキな笑顔や明るさをもって、私たちも寮生活を送っていきたいと思っています。これから三年間、どうぞよろしくお願いいたします。

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入寮礼拝 ~在寮生代表あいさつ~

「仲間と過ごす寮生活」  S.N(めぐみ館3年 長岡市出身)

 新一年生50回生の皆さん、ご入寮おめでとうございます。私たち48・49回生は皆さんがのぞみ寮にやってくる時を、心待ちにしていました。今、そこに座って話を聞いている皆さんの姿を見ると、2年前の自分の姿が思い出されます。
 周りを見渡せば知らない人ばかりで、これから始まる寮生活はどんなものか想像しきれませんでした。緊張や不安で体がこわばっている人も多いのではないでしょうか?もしかしたら楽しみで仕方がない人もいるかもしれません。
 しかし、安心してください。皆さんには、同じ思いを経験し、1・2年間この寮で過ごし、入寮当初より確実に良い方向へと成長した先輩たちがいます。
 ここ敬和学園には、「自分探し」という言葉にひかれて、入学を決めた人もいるかと思います。私もその中の一人です。中学時代「他人と関わること」「自分の意見を持つこと」が苦手な私は、不登校まではいかないけれど、2日に1回は休むようになった時期がありました。高校進学について悩み始めた頃、先にここへ入学していた従姉から話を聞き、敬和に興味を持ち始めました。そして、のぞみ寮という、必然的に人と関わらなければいけない、この場所で過ごすことが、自分が変われるきっかけになると、少し期待しつつ、のぞみ寮に入ることを決めました。
 つらい時もあります。かなしい時も、寮に帰ってきたくないこともあります。でも、ここには私を「おかえり」と迎えてくれる仲間がいます。皆さんの隣りにいる仲間、そして先輩たちとも、のぞみ寮でなら必ずそんな関係を築くことができます。
 この3年間がとても充実するものであり、ここに来て良かったと思える日が来るよう願っています。

 

 

 

< 寮生リレー >

「先輩としての責任」  I.K(大望館2年 福島県出身)

 僕が1年生を迎える前までの期間、気持ちは不安しかありませんでした。先輩として大望のルールをしっかりと教えられるのか。1年生が寮になじめるのか。そして僕自身が1年生と仲良くやっていけるのか。2年生合宿で、1年生を迎える準備をしている中、考えれば考える程、不安な気持ちがいっぱいでした。
 そんな状態で1年生を迎え2週間が経ちました。いつの間にか、僕の不安な気持ちはなくなりました。
 同じ部屋の1年生が、自分の家に帰る前に、わざわざ僕の所に来てくれて、少し言葉を考えて「行って来ます」と言ってくれた時に、不安な気持ちがスッキリと消えて、とてもうれしい気持ちになりました。
 1年生が慣れない環境中で先輩を思う気持ちを感じられて、とてもうれしかったです。
 まだまだ、寮の生活にもルールにも慣れていなくて、辛いと思うけど、この寮で2年間一緒に過ごす家族として、辛いことを一緒に乗り越えてがんばっていきたいです。

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「50回生の入寮が本当に嬉しい」  T.A(めぐみ館2年 新潟市出身)

 私も、もう2年生です。春休み前から、50回生を迎えるために様々な準備をしてきました。手紙を書いたり、寮内の掃除をしたり、ウェルカムボードを作ったり。めぐみ館にいよいよ私の後輩が来る!と、私自身も落ち着かず、机の上を模様替えしてみたり、クローゼットの中の服を全てたたみ直してみたりと、そわそわしていました。
 4月4日の入寮礼拝の日、私は終始ワクワクとドキドキで胸がいっぱいでした。50回生と一緒にやりたい事や、してあげたい事など、色んな事を考えてワクワクしていたはずなのに、実際に会えた時には何だか気恥ずかしく、会話もろくに出来ず、とまどってしまいました。
 新入生は緊張の中、入寮して、全てが新しい事ばかり。ひとつひとつに戸惑ったはずですが、それでも個人のペースでここでの生活に慣れようと努めてくれている姿に、私が力をもらい、嬉しく、安心しました。
 1年経った私にだってまだまだ出来ないことが沢山あります。分かっているはずだった事でさえ、教える側に立った途端どうしていいのか分からなくなることだってあります。だから心配せずに過ごしてほしいと思います。
 私は先輩方に言葉だけではなく行動を通して、いろんなことを教えてもらいました。私ができるようになるまで、先輩達は寄り添って支えてくれました。嬉しかったです。私がしてもらって嬉しかったことを、これからは私が50回生にしていきたいと思います。
 そして、互いに辛い事は相談し合い、楽しいことは共有して笑い合える、居心地の良い関係と暮らしを、のぞみ寮でしていきたいと思います。50回生、入寮して来てくれてありがとう!

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「最高のスマイル」  A.S(光風館2年 新潟市出身)

 あれから2年。僕もついに3年生になって、笑顔で新入寮生を待っているとは……。
 2年前の気持ちを思い出してみました。僕は入寮する時、「しっかりやっていけるのだろうか」と、とても不安でいっぱいでした。ですが、入寮の顔合わせの時に先輩たちが大きな声で僕の名前を叫びながら、最高のスマイルで僕を迎えてくれました。そのおかげで僕は、不安が和らいだことを憶えています。
 僕の実家は、新潟市北区にある豊栄という敬和から近いところにあります。なぜ、僕が入寮したかと言うと、それは親に「寮生活をしなさい」と言われたからで、仕方なく入りました。寮に入るまでの生活はとても酷く、家族と一緒にいる時間は1時間もなく、ほとんどの時間を自分の部屋で過ごしていました。
 こんな僕でしたが、人と関わることの大切さと楽しさを知ることが出来て、今はとても楽しく過ごしています。それは、入寮当時にお世話になった先輩たちが温かく迎えてくれたおかげです。だから、僕も先輩たちのように新入寮生を安心させられるように迎えようと思いました。 そして、当日。ドキドキしている新入寮生に2年前の自分を重ね合わせながら、同室の2年生と一緒に光り輝くボウズ頭と最高のスマイルで新入寮生を迎えることが出来ました。

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「のぞみ寮という場所で」  F.A(みぎわ館3年 十日町市出身)

 2年前、大きな期待と小さな不安を胸に、のぞみ寮へ入寮した私。しかし、入寮日から大泣きし、館の先輩方や同級生達に心配させました。慣れない環境の中、少しずつ「人に頼る」ということを、この2年間学んできました。入寮当初よりは、確実に成長できていると思っています。
 4月に50回生が入寮し、友愛館は賑やかさを増しました。私たちの時よりも、後輩達の方が、寮の適応能力が高いことに驚きました。50回生は先生達の前で泣く人はいても、先輩達の前では遠慮しているのか、大泣きをしている人は、あまりおらず(仲間との関わりの中で嬉し泣きをしている人は見かけましたが)、心なしか寂しさを感じています。
 世代交代をしてきた中で、寮生活が過ごしやすいように変えられ、先輩後輩とのより良い関係が作れてきているように思います。寮という環境は、とても恵まれています。仲間と共に笑い合い、泣き合い、時にすれ違ったり喧嘩したりしながら、共に成長し合います。悩みを聞いてくれる先輩方や先生方がいて、何より今まで知らなかった新しい自分を見つけることができます。私自身、そうでした。
 ここでのこれからの毎日を、当たり前だとは思わず、一日一日を大切に仲間と共に過ごしていきたいと、50回生を迎え改めて思います。この、のぞみ寮という場所で。

 

 

 

< 新任のあいさつ >

 山﨑 飛鳥(大望館担任)

 今年度より大望館の担任になりました山﨑飛鳥です。今後ともよろしくお願いします。寮担任の他、ラグビー部の副顧問も担当しています。私は3年前から敬和学園にお世話になっています。1年目は寮、2年目は学校、3年目は学校・寮と様々な形でのぞみ寮とは関わらせていただきました。
 私には将来ラグビーの指導者になるという夢がありました。小学生の頃から社会人になってからの約20年間、私の生活の中心には、いつも『ラグビー』がありました。しかし、これまでの敬和学園、のぞみ寮の子供たちとの歩みの中でその考えは大きく変わっていきました。いつの間にか私の生活の中心はラグビーではなく『のぞみ寮』になっていたのです。寮担任になる以上「お預かりした生徒一人一人の成長のために、他の全てを捨ててでも」という覚悟を持って就任しました。
 寮生活の中、様々な場面で寮生とは本気でぶつかることになります。特に48回生にとって最後の一年に新しい人が入って来て納得できないことも多々あると思います。そんな寮生に試行錯誤しながら大望館生と共に歩んでいきます。



2017年4月26日水曜日

みぎわ館通信 2017年4月26日 第262号

1年生、頑張っています!

0426_mi02 2017年度がスタートして3週間が経ちました。だいぶ暖かい日が続くようになり、学園の桜の花もあっという間に散ってしまいました。1年生達は寮生活に慣れ始めましたが、同時に疲れも少しずつ見え始めています。1ヶ月間は寮に慣れるために自宅に帰ることができない1年生達。本当によく頑張っているなあと思います。親元を離れての生活は本当に大変。そしてとても寂しい気持ちになります。
 入寮して一週間が経った頃、1年生4人が事務室に入って来ました。しくしくと涙を流しながら……。「寂しい、家族が恋しくて今すぐ帰りたい。」聞いている私も切なくなります。でも、色んなことを話しているうちに、一人の生徒が言いました。「寂しくて悲しいけど、嬉しいことや楽しいことも確かにありました。これからもっともっとたくさん楽しいことがあると思うと、ゴールデンウィークまでは頑張ろうと思います!」と。今はまだ親元を離れて寂しい気持ちでいっぱい。でも、たった1週間だけれど、その間に確かに楽しいこともあった!と、気付けたのです。先輩達はとにかく優しいし、1年生達のために4館合同の行事を企画してくれたし、きっとまだまだ楽しいことが寮生活にはある!気付いてくれて嬉しいなあと思いました。
0426_mi01 「お家に帰りたい」とか「辛い、悲しい、寂しい」とか言ってはいけないなんてことはないのです。むしろ、誰かの前でたくさん泣いたらいい!なぜなら、その気持ちを誰かが一緒に感じてくれたら、その誰かが違う見方をしてくれることもあるからです。だから寮ってすごい!いいなあ、と思います。4月29日(土)の寮祭では、各館の1年生が出し物をします。1ヶ月の頑張りをお披露目する時。寮祭が終わればゴールデンウィークが待っています。1年生のみなさん、一緒に4月を乗り切りましょう!(小林)

 

 

 

 

 

2・3年生もやることがたくさん!
 さて、3年生はというと……。消灯後、ホールを使う生徒が増えてきています。あれ?もうテストの勉強?第一定期テストはゴールデンウィーク明けのはず。すごい、早いなあと思っていると……、ちょっと違いました。何を一生懸命頑張っていたかというと、そう、3年生といえばフェスティバルです!6月のフェスティバルに向けて、48回生は始動しています。今年も総合チーフや各部門のチーフになり、役割を与えられたみぎわっ子が何人もいました。いよいよこの時期。3年生にとっては最後のフェスティバル。とにかくやり切って欲しいと思います。
 2年生は新しいクラスでの学校生活に少しずつ慣れてきた様子です。この時期の2年生の大仕事は、寮祭で1年生が行う出し物のサポートです。毎年、女子寮では1年生が劇の発表をしますが、劇の内容を考えたり、小道具を作ったり、練習を進めたりするのは2年生の役割です。実は、昨年度の3月から考え始めていました。まだ入寮して間もない1年生達が、少しでもお互いの仲を深められるように、また、こんな風に成長して欲しいという思いを込めて、劇の内容を考えていました。出し物の練習が1・2年生合同で始まっています。さて、どんな劇に仕上がるのか、今から本当に楽しみです!

 

桜の木の下で、学年ごとに集合写真を撮りました!みんなとってもいい笑顔です♪

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礼拝のお話

2年 A.K
 突然ですが、皆さんは普段、物事の本質的な所を見極めて生活していますか。本質的な所を見極めるというと、少し難しいかもしれませんが、簡単に言えば、何が重要なのかをしっかり考えていますか?と、いうことです。私達人間は、毎日何かを考えたり思ったり、感じたりしながら生きています。実際に考える、ということが人を変えることがあります。それは良くも悪くも。自分の考えが誰かの役に立つこともあれば、自己嫌悪に陥って、自分自身を苦しめることもあるように。つまり、考えるということは、私たちが生きていく中でとても大事なことであるということです。
 では、考えるということを、皆さんはどのように活用していますか?しっかり自分の考えをもつことができているでしょうか。誰かの言われるままに流されてはいませんか?
 例えば、寮生活で先輩や先生から何かを教わったり注意されたり、時には怒られたりなどありますよね。それは、寮生活に限らず、学校や家でもあると思います。それに対して、皆さんはどのように思っていますか?何も考えず、ただ言われたことをこなしているだけでしょうか。それとも、「面倒くさい」や「だるい」など、反抗的でしょうか。どちらにせよ、それではここ、みぎわ館に居る意味はありません。何も得られず、成長することはできません。
 皆さんがなぜ、このみぎわ館に入ろうと思ったのかはわかりませんが、せっかくここに居るのですから、ここでしかできない体験をしませんか。もっとたくさんの人と関わりを深めたり、時には色んな人をも巻き込んで喧嘩をしたり。悩んでいる人がいれば、躊躇なく手を差しのべ、自分が落ち込んでいる時には、みんなに励ましてもらう。こんなにみぎわ館はあたたかいんです。他にこんなところがあるでしょうか。これができているのは、みぎわ館を今まで築いてきてくださった先輩方のおかげです。
 私たちがこれからも引き継いでいくためには、やはり「考える」ということが必要です。なぜそれをしなければならないのか。その時その時で何が一番最適なのか。考えた分だけ可能性は広がるのです。どうか、惜しまずたくさん考えてください。嫌なこと、悲しいこと、苦しいこと、辛いこと、これからどんどん増えていくと思います。ですが、どの出来事も必ず自分を成長させてくれると思います。



2017年4月25日火曜日

光風館通信 2017年4月23日 第489号

< 部屋の目標を漢字一文字で表すと……? >
 4月4日(火)50回生入寮日の夜、光風館では全体の顔合わせと自己紹介をして、賑やかな時間になりました。例年は部屋の先輩が新入寮生を紹介して、ジュースで乾杯して質問タイムがあってサクッと終わります。しかし、今年は少し違います。1日も早く部屋の先輩・後輩が打ち解けて語り合ってほしいと願いを込めて、私からの質問に答えてもらいました。その質問とは「部屋の目標を漢字一文字で表すと……?」です。

0423_ko02 早速、部屋の先輩・後輩が顔を寄せ合いながら考え始め、カチコチに緊張した硬い表情から笑顔へ変わって、光風館ホールが笑い声で満たされていきました。その後、部屋ごとに発表してもらいましたが、想像以上に盛り上がりました。「綺麗な部屋を目指したいし、心も清くありたい」という想いから“”にしたり、「もっと部屋での会話が増えたらいいなぁ」と期待を込めて“”にしたり、「毎日を大切にして、一歩ずつ進んでいきたい」という想いから“”にしたりと、いろんな漢字が出てきました。それぞれの部屋の発表を聞いて、大切にしていきたい想いをしっかり持っていることに感動しました。またどこかで部屋ごとに紹介したいと思います。
 全ての部屋が発表を終え、恒例の乾杯のあとには私から「こんな寮生活を送ってほしいと願いを込めて」というタイトルでスライドショーを流しました。簡単にまとめると、こんな感じです。寮生活でみんなに目標にしてほしい漢字は“”。寮生活は楽じゃないけど、その中で楽しいと思える時間があるはず。仲間と過ごす時間や新しい自分との出会いを大切にして、受け入れ合うことや支え合うことを経験してほしい。その経験の積み重ねがこれからの人生を豊かにしてくれる。そして、自分の人生を楽しめる人になってほしい。
 これから光風生のみんなは、与えられた時間の中でどんな楽しさを感じ、どのように成長していくのでしょうか?そんなみんなの成長こそが私の楽しみでもあるのです。(片岡)

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< 礼拝のお話 >

「10代にしておきたいこと」     S.R(3年・茨城県水戸市出身)

 みなさんは『10代のうちにしておきたい17のこと』という小説を知っていますか?私はこの本を母に勧められて、読んでみました。最初は「この本は面白いのか?」と思いつつ、読み進めました。その中で、私は一つの問いかけに興味を持ちました。そこには、「一生付き合える友達を見つける」という大きな題がありました。その中に四つの問題提起がありました。私がその中で考えさせられた質問が一つあります。それは、「命をかけてもその友達を信頼出来るか?」という問いかけです。内容はこのようなものです。「ナイヤガラの滝で綱渡りをするんだけど、背中に乗って綱を渡らない?」と友達に言われた時、みなさんだったらどんな反応をしますか?私は、「怖くて出来ない」と言うかもしれません。なぜ、このような返答をするかというと、私には小・中学校一緒だった友達がいて、遊んだり一緒に学校に行ったりしていました。ですが、ある日突然、友達は私を遠ざけるようになりました。その時、何が原因で遠ざけられるようになったのかを考えました。そして、その原因がちょっとした噂から引き起こしてしまったのだと思いました。
 みなさんはどうでしょうか?さっきの問いにどう答えますか?答え方は、人それぞれだと思います。一緒にやろうと言う人、無理と言う人、もしかしたらそれ以外の答えを出す人もいると思います。ここから私が伝えたいことは、「今の友達の中に信頼出来る友達はいるか?」ということです。もう一度と言います。ナイヤガラの滝ほどではありませんが、自分の思いを尽くしてでも、その友達を信頼出来ますか?

 

 

 

「変化を告げる場所」      N.T(3年・兵庫県姫路市出身)

 みなさんは礼拝でお話しすることに対して、どのような印象を持っていますか?お話を考えるのは難しい。伝えたいことなどない。人前で話すのに慣れていない。そういった理由からめんどくさいと思っている人も少なくないと思います。
 人は常に変化し、成長しています。特に敬和では年齢的にも、寮という特殊な状況的にも、その変化は著しいものでしょう。1年、半年、1ヶ月後に自分がどうなっているのか分からないし、予想してもその通りになる人は少ないと思います。逆に、1〜2年前の日記や学校での作文を読んで、こんなことを思っていたのかと驚くことも多くなりました。礼拝のお話というのは、“変化を告げる場所”だと私は勝手に思っています。例えば、前まではこう思っていたがこう思うようになった。最近こんなことが出来るようになった。こんなことを考えついたなどをみんなの前で話し、シェアすることによって自分自身の中で整理することが出来ます。また、文字としてあとに残すためにも礼拝のお話を活用してみてください。礼拝のお話は年に三回しかありません。定期テストの数よりも、長期休みの数よりも少ないのです。積極的に良いものを発信出来るように張り切ってほしいと思います。



めぐみ館通信 2017年4月22日 第75号

人と人との関わりの温かさを感じながら
 新学期に入り3週間が経ちました。慌ただしい毎日の中にも、少しずつですが、気持ちのゆとりを持ち過ごせるようになっていることが、一人ひとりの表情から感じられます。
 全体的にとても元気な1年生。先輩たちは、そんな元気な1年生の様子に「若いって……すごいね。うらやましいわ」と何とも落ち着きながら、語っている姿に、微笑んでしまいます。彼女たち曰く、1歳、2歳の差はとてつもなく大きいのだそうです。
 1年生は、寮生活の流れを覚えようと先輩から伝えられることを一生懸命覚え、生活している姿はとても新鮮です。2年生は、伝える立場になり、あらためて自分自身を振り返る時間ともなっています。「去年教えてくださった、今の3年生の先輩方ってすごいです」「人に伝える。教えることって難しいですね」としみじみと語る生徒もいます。寄り添って、一緒に体を動かしながら伝えてほしい。関わることで、関係も築かれていくことは、ミーティングの中で3年生から2年生へ伝えらえたことです。「いつでもサポートする」ことと、また「私たちもできていないことがまだまだたくさんある」「気づいたことは、私たちに遠慮しないで教えてほしい」「私たちも気づかないことが多くあるはずだから」と2年生へ誠実な気持ちで語りかける3年生でした。2年生も3年生の思いを受け止めて、誠実に疑問や戸惑いを投げかけました。
 2年生からの意見に対して、「教えてもらって良かった。言ってくれてありがとう」と心を込めて、受け止め返答する3年生の姿がとても印象的でした。
 私達は、“できる”“できない”の結果を求めてしまいがちです。しかし、目指しているものは、そういうことではありません。共に生活する中で、どれだけ関わり、考え、ここで出会った仲間と共に、感じ表現していく事が大切なことだと思います。こんなにも人と人との距離を身近に感じながらの寮生活。どっぷりと浸って過ごしてほしいと願っています。(小菅)

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礼拝のお話
「2代目“ぼっち”の継承」3年 T.A
 皆さんは、「ぼっち」と聞いてどう思いますか?“暗い”“かわいそう”など、マイナスのイメージを持つ人が多いと思います。ですが、私はそうは思いません。なぜなら私がその「ぼっち」を実際に体験してみたことで「ぼっち」になれるということは、とても素晴らしいとあらためて発見できたからです。

0422_me03 かくいう私も最初は「ぼっち」に対して、あまりいいイメージを持っていませんでした。私が1年生の頃、当時の寮の3年生の先輩に「ぼっちの伝道者」と呼ばれる方がいました。その方は、私がこうして話しているように、礼拝のお話の中で「ぼっち」の素晴らしさを伝えていました。しかし、当時の私は、人目につくことが大の苦手で、「ぼっち」を周りと違う=人目に付くと考えて、そんな恐ろしいことはしたくないと思っていました。
 そう思い続けて1年間、2年生になった私に「ぼっち」になる機会が訪れました。人間関係の悩みもありましたが、一番「ぼっち」になりたいと思ったきっかけは、自分自身への問いかけでした。2年生になりたての頃の私は、少し自分に対して危機感を感じていました。なぜなら、常に誰かと行動しなくては気がすまなくなっていたからです。そこで、一人でランチを食べることから始めてみました。人生初の「ぼっち飯」をしました。最初は、おっかなびっくりという感じで、やはり周りの目が気になり、食事どころではなくなっていました。しかし、回数を重ねるたびに慣れ、いつの間にか「ぼっち」になることを楽しみにする自分がいました。好きな時に一人の時間を楽しみ、好きな時に友達と会話する。これだけで、私の生活はとても充実したように思えていました。
 さらに、私が一人の時に出会った子たちと仲良くなり、気づけば違うクラスの友達もたくさんできました。そう、「ぼっち」になってたくさんの友達が出来たのです。もちろんクラスの友達とも仲が良いし、ふざけあったり、冗談を言い合ったり、敬和生活をエンジョイしています。
 敬和は安心して「ぼっち」に慣れる環境です。皆さんも勇気を出して「ぼっち」になってみませんか?もし、自分が望まずに「ぼっち」になったとしても、周りの人たちが手を差し伸べてくれることも、心に覚えていてほしいです。

 

 

 

 

入寮礼拝の朝~先輩たちに見送られて

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~みんなで分け合って~
 差し入れやお土産をいただきます。彼女たちのおなかにあっという間においしく消えていきます。どんなものでも、おいしさを分け合っていただきます。40ケに切り分ける技も習得。切り分けを見守る目も真剣。彼女たちの至福のひと時です。

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2017年4月24日月曜日

今週ののぞみ寮 第27号

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 4月23日(日)の全体礼拝。この日のみんなの讃美歌に私は驚かされました!全員がとっても大きい声で、心を込めて、心を合わせて歌っているように聞こえたからです。50回生が加わって2回目となる全体礼拝。なんだかとっても幸せな1週間の始まりを迎えられたような気になりました。

 そして、全体礼拝ではその週の誕生者をみんなで歌ってお祝いします。200人近い仲間から歌ってお祝いされる経験なんて、のぞみ寮以外ではないのでは!?と思います。このお祝いのひと時は、私の好きなひと時でもあります。なんだか気恥ずかしそうに、でもとっても嬉しそうにみんなの前に立つ誕生者たち。のぞみ寮で暮らす3年間で3回与えられるこの機会も、たっぷり味わってほしいなぁと思います。

 

 

 

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 今年度最初の避難訓練が4月23日(日)に行われました。1次避難場所、2次避難場所、3次避難場所までの集まり方、並び方、移動経路などの確認をしました。とっても静かに・素早くみんなが訓練に臨んでくれたこと、本当にうれしく思います。何のために訓練をするのか、それをみんながよくよく理解してくれているのでしょう。さすが、のぞみ寮生です。次は秋。今度は事前告知なしでの訓練です。抜き打ち訓練。よろしくお願いします!

 

 

 

 

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 女子寮合同礼拝を4月18日(火)に旧ランチホールを借りて行いました。司会をめぐみ館の3年生が、お話と奏楽をみぎわ館の3年生が担ってくれ、いつもとはかなり雰囲気の違う(そもそも場所が全然違いますから!)礼拝をみんなで守りました。その後は各館、各学年の自己紹介も行いました。題して「ネーム覚えよう会」。「自分の館以外の先輩が分からないんだよね」とある1年生のつぶやきを2年生が拾ってくれて、3年生が「じゃぁ!」と企画立案してくれたのが、この合同礼拝とネーム覚えよう会につながりました。誰かの小さな声の「困ったなぁ」にさえも、すぐに対応してくれる先輩達の心意気には本当に感心します。

 自分の館だけでいい、そんな考えがなくなりつつある女子寮の現状に嬉しくなり、つまづきにさっと手が差し伸べられる現状に勇気をもらい、一緒に時間を過ごす事で笑いがあり……素敵だなぁと何度感じた事でしょう。「今年は女子寮合同でいろいろしたいね!」とそう言えば年度初めに寮生と話したことがあります。それが実現していることが嬉しくてたまりません。この流れ、続いていきますように!



今週ののぞみ寮 第26号

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 何をしているか、おわかりになるでしょうか?高校男児が一生懸命料理しております、卵で。この卵、寮生の保護者が養鶏所を経営されており、産みたての卵を送っていてくださいました。1パック200円の、その辺のスーパーで売っている卵とは全く別物です。高級品です。その卵を、料理部隊が調理し、大望生達に振舞います。正直、高校生の胃袋には勿体ない!!「ホンモノを口にできるキミたちって、幸せなんだよ」なんて嘆きながら、美味しそうに保奪っている姿を、見守っていました。

 

 

 

 

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 週末の男子寮の楽しみと言えば、スポーツ大会です。体育館を借りて、バスケをしたり、フットサルをしたりして、汗を流します。このスポーツ大会があるから、家には帰らない生徒もいます。今回は、大望館がバスケットボールをしている様子を載せました。初めて、1年生が参加した週末のひと時です。学年の枠を超えて、時にはエキサイトする場面も見られます。家でゲームなんてしている場合じゃない様です。

 

 

 

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 桜が満開の4月15日(土)。女子寮合同でお花見をしました。夜桜のお花見。何をしたかと言うと、桜の木の前に集合して記念撮影し、花見団子を食しました。みぎわ館・めぐみ館のオープンハウスを行ってそれぞれの住まいに「お邪魔します!」をし、めぐみホールでたこ焼きとカステラボールを作っては食べ、食べては作り。館を超えて、学年を超えての交わりのひと時を持ちました。(お花見と言うより、「丸い物食べようの会」……のような気がします。笑)

 オープンハウスでは初めて隣りの館に足を踏み入れた人の方が多く、「え~!こんな風になってるんだ!」「部屋広い~!」「ピンクの館内可愛くていいなぁ!」など、互いの館の良い所探し。お隣さんのいいとこ見つけて、自分たちのいいとこ見つけて、お隣さんのいいとこもらって、自分たちのいいとこあげて。互いに認め合い、支え合い、高め合える女子寮でありたいと改めて思いました。

 それにしてもみんな、花より団子なのは間違いないね!(……私もか!?)