2016年9月23日金曜日

光風館通信 2016年9月22日 第479号

< 誕生日おめでとう! >

 9月21日(水)に7月誕生会を開催しました。
 今回のリクエストは『オムライス』でした。7月誕生者にとって、このオムライスは念願であり、雪辱を果たすような想いだったようです。なぜ、そんな想いを抱いていたのか?それは今の3年生が1年生だった一昨年にオムライスをリクエストしてきて、おなかいっぱい食べられて大満足しました。しかし、去年は「食べる量が少なくてもいいから、美味しいスイーツを!!」というリクエストをしてきました。そのリクエストに応えてティラミスを作りましたが……予算の都合上、やはり多く作れずに食べる量が少なく満足せず、去年の7月誕生者は悔しい想いをしていました。そして、量も質も求めた結果、念願のオムライスに辿り着いたようです。
0922_ko01 今回、笑いが絶えない誕生会になりました。その笑いの中心にいたのは、やはりT.M君(3年)でした。ガツガツ食べながら、周りをキョロキョロ見て、何かの話題に食いついて話し始めたかと思うと、いつの間にか違う話題をしている。そんな彼から最後に「去年のティラミス、凄かったですよね!自由さんからあんなオシャレなスイーツが出てくるなんて、信じられませんでした!あんなモノまで作れるなんて、いやぁ感心しました!」と言われ、「……おぉ、そうか。ありがとう」と彼の勢いに呑まれる私。そんな中、すかさずU.J君(3年)が「おい、どれだけ上から目線なんだよ!!しかもティラミスの話!?」とツッコミを入れ、大爆笑で誕生会を締め括ることが出来ました。(片岡)

 

 

 

< 礼拝のお話 >

「好きなことを続けてほしい」              T.S(3年)新潟市西蒲区出身

 初めて見た時は、自分に似ている顔で同じ体型で面白いヤツが入ってきたと思った。突然、部活に来なくなった。理由は、1人の部員が怒って強く言い過ぎたことだ。彼は中学でも同じようなことが起こり、部活へ行けなくなった。僕は、彼に問う。「中学でも同じような経験をしたのに、また同じことを繰り返すのか?この先、同じようなことがあつたらどうするのか?また逃げるのか?」彼は昼休み、楽しそうにバスケをしている。バスケをしている時が一番輝いていると僕は感じる。前の彼なら逃げていたかもしれない。しかし、今は仲間がいると思う。

 僕は、彼が部活に来なくなった時、心にポッカリと穴が空いてしまった。辛い時や苦しい時に声をかけ合って助け合ってきたから。だから、また一緒にバスケがしたい。今のチームは、彼を必要としている。彼がいたらチームは強くなるし、盛り上がると思う。バスケは5人では出来ない。全員でやるスポーツだと思う。バスケは、仲間がいて、助けてくれるチームメイトがいて、励ましてくれるマネージャーがいて、褒めてくれるコーチや先生がいる。点を取った時にみんなで喜んでさ、バスケは最高のスポーツだ。知っているか?親はバスケ部に戻ってきてほしいと思っている。もちろん顧問も同じ考えだ。同じチームメイトだし、同じ部活の一員だから誰一人邪魔者扱いをしたり仲間はずれにしたりしない。だって仲間だから。

 彼はバスケが本当は好きだと思う。僕たちの最後の試合に見に来てくれて、僕は本当に嬉しかった。僕が一番嫌いなのは、今まで一緒に頑張ってきた仲間が一人消えることだ。実は、僕も同じ学年の時に「辞めたい」って思ったけど、3年間続けた仲間がいる。僕は、「バスケが好き」だから続けられたと思った。

 僕は思う。もう一回バスケを続けてみないか。好きなことを続けてほしい。僕は信じている。またコートで笑う顔が見たい。もう一度バスケ部に戻ってきてほしい。コートの上で待っている。彼に出会えてよかった。ありがとう

 

 

 

「当たり前だった生活も終わりが来る」         M.H(3年)千葉県浦安市出身

 みなさん、ご存知だと思いますが……9月10日に1976年から今まで一度も休載することなく、約40年間週刊少年ジャンプで連載されていた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の連載が終了するというニュースを目にして、最近長らく続いてきたものが途絶えているものが多い気がしています。例えば、リオオリンピックで吉田沙保里選手の4連覇が阻止されたり、SMAPが年内で解散したりとここ数ヶ月でショッキングなニュースがひっきりなしに報道されています。

 正直、興味のない人にはどうでもいいと思えるような話ですが……これが別のものであったら、どう感じるでしょうか?自分にとってかけがえのないものに置き換えてみると考え方が変わってくると思います。他人にとってどうでもいいようなものでも、その人にとってみれば生活の一部になっているものもあります。長らく続いてきたものは当たり前のように感じますが、当然終わりは来ます。

 私はクラスの連絡黒板にある「残りの登校日数84日」というのを見て、学校生活や寮生活が刻一刻と終わりに近付いて、当たり前だった日々が当たり前じゃないことを痛感しました。長らく続いた寮生活が生活の一部になっている私は、残り数ヶ月で終わるということは今の段階では想像することは難しいです。その当たり前の生活がもう長くはないということを意識して生活していかなければ、きっと後悔すると思います。ですから、3年生は残りの少ない学校生活を当たり前だった今までのように過ごすのではなく、しっかりと次の新しい生活を始める準備期間として、残りの生活を過ごしてみてはいかがでしょうか?



2016年9月13日火曜日

みぎわ館通信 2016年9月11日 第247号

3年生に感謝! 
 9月になりました。まだまだ暑い日が続いていますが、生徒達は暑さに負けず、元気に過ごしています。
 さて、8月28日(日)の全体礼拝後、3年生から1・2年生に、世代交代に向けての話がみぎわ館で行われました。ブロック長・副ブロック長・生活規律・整美・リサイクル・行事・食事・礼拝・セクレタリーなどの委員会があり、3年生が各委員会に入って(副ブロック長は2年生)、のぞみ寮を、または各館の運営を担っています。みぎわ館の47回生は、「アットホームなみぎわ館に」を目標に去年の今頃から1年間、それぞれの委員会で、時には学年みんなで悩み考え、寮の運営を担ってきてくれました。その仕事が、いよいよ47回生から48回生へとバトンが渡される時期が来たのです。
 自分たちが今までどんな想いで各委員会の仕事をしてきたか、1・2年生の前で熱く語ってくれました。ただ仕事の内容を説明するだけでなく、どんなことに責任をもって取り組んできたか、自分がこの委員会で一番頑張りたかったことはなにか、みぎわ館で過ごす人がどんな気持ちで過ごせたらいいと思っていたか、今までの1年間を振り返って1・2年生に話しをしてくれました。中には、自分が担った仕事が上手くいかず、苦労したり悩んだりしたということも話してくれた生徒もいました。学年のみんなに自分の気持ちが伝わらなかった、伝えることができなかった時もあった、仲間の気持ちを受け入れずぶつかり合った時もあった、という話を語ってくれた3年生もいました。涙が溢れ出てきました。自分が頑張った事だけでなく、自分の欠点や間違いに気づいたこと、悩み傷ついたことを仲間の前で、それもみぎわ館生全員の前で伝えられた3年生の姿を見て、只ただ感動していた私がいました。
 みぎわ館生全員の前でこんな深い話が出来るということに驚きました。心の奥にある気持ちを話せる仲間を、このみぎわ館で得ることができた3年生達に拍手を贈らずにはいられませんでした。まだ卒業の時期じゃないのに…胸が熱くなりました。3年生に心からお礼が言いたくなりました。1年間、みぎわ館のことを、のぞみ寮のことを考えて取り組んできてくれてありがとう。3年生、最後の引き継ぎまで、どうか宜しくお願いします。まだまだ頼りにしています♪(小林)

3年生に「ありがとう」の気持ちを込めて拍手をおくりました!2年生への引き継ぎを、よろしくお願いします♪♪

 

 

 

 

バトンは47回生→48回生へ、そして48回生→49回生へ 
 47回生から寮運営の話を聞いて「すごい!」と思ったのは寮務教師の私達だけではありません。48回生・49回生のみんな一人ひとりの心にも、47回生の言葉はちゃんと響いていました。
 3年生の話を受けて8月31日(水)、新しいブロック長・副ブロック長決め、各委員会決めと各委員長の選出が行われました。2年生は一人ひとりがこの仕事がしたい!という気持ちをしっかり固めていました。やる気に満ち溢れている2年生達の姿がありました。そして1年生の中からも、学年のために、みぎわ館全体のために力になりたい!と思って副ブロック長に立候補してくれた生徒が2人もいました。
 役割を担うと誰でも悩み、壁にぶつかります。怖いかもしれないけれど、それでもやってみようかな!やりたいな!と思って手を挙げてくれた生徒達。大好きなみぎわ館のみんなのために、変わりたい自分のために、そんな気持ちがとても伝わってきました。
 2年生は自分たちで各委員会のメンバーを決めた後、「頑張るぞー!」の掛け声でその日のミーティングを終えました。1年生は副ブロック長が選出された後、副ブロック長になってくれた仲間をどうやってサポートしていったらいいかを考えました。また、2年生から引き継ぐ人は副ブロック長だけではありません。今まで2年生が担ってくれていた、会議室の掃除やシーツやリースを交換する仕事などを今度は1年生が担当するので、役割を決めていくことになります。
 完全な世代交代は10月。ですが、バトンがそれぞれに渡りはじめていることを日々実感しています。(小林)

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~立候補は緊張します。でも、自分の気持ちをしっかり伝えたい!という気持ちを、スピーチを、仲間にしっかり伝えることができました!~

 

 

礼拝のお話

~世界から自分が消えたなら~ 2年 I.S 
 世界から自分が消えたなら。みなさんはこの言葉を聞いて、どう解釈しますか。死んでしまうこと。そう思う方が多いのではないでしょうか。映画化もされた『世界から猫が消えたなら』という本の話を今日はしようと思います。
 本を読むことが大好きだった私に母が買ってきてくれた本が『世界から猫が消えたなら』でした。出会いは中学生の時。最初は読む気のなかった私も次第に熱中して読みました。感想は、面白かった、ただそれだけでした。しかし、こんな簡単な感想しかでてこないのになぜかぼろぼろ泣きました。そしてこの夏、読書感想文というきっかけで本と再会しました。読み終わった感想は、よくわからなかった、これだけでした。読書感想文を書くために読んだのに、よくわからない、だなんで、私は必死にこの本の意味を探しました。何度も何度も読み返しました。しかし私には意味を見つけることができませんでした。あとがきのないこの本、作者が何を言いたいのか、全くと言っていいほどわかりませんでした。しかし、ある日ふと気が付いたのです。意味を探す必要なんてないんだと。よくわからなかった、これが私の感想なのです。そしてもう一度読み返すと、初めてこの本と出会った時と同じように色々なシーンでぼろぼろと泣きました。感じたままに感じればいい。白紙のあとがきがそう言っているような気がしました。
 世界から「猫」ではなく、「自分」が消えたなら。自分が自分でいられなくなること、だと私は思います。嫌われないように自分を隠したいと思った時、自分はダメだからできないだろうと思った時、私たちは消えかけているのです。自分でない自分になった時、自分は消えます。そんな自分を褒められて嬉しいでしょうか、自分は本当に喜んでいるでしょうか。敬和は、寮は、みぎわ館は、ありのままの自分を受けとめてくれる所です。きっと自分を出せてない人がまだいるはずです。世界の、日本の、新潟の、太夫浜の、敬和学園のぞみ寮みぎわ館に、確かに自分は「居た」と、そう思える学園生活にしたいです。そんなことを感じさせてくれたのが、人生哲学エンターテイメント「世界から猫が消えたなら」でした。皆さんもぜひ読んでみてください。



2016年9月12日月曜日

のぞみ通信 2016年9月6日 第221号

語り合うこと 見ていること

寮長 東 晴也

 「暑中お見舞い申し上げます。先日は、“語ろう会”に参加させていただき、先生方や保護者の方々のお話を聞くことができ、とても良い時間を過ごすことができました。また、息子が家に帰ってから、自分から進んで草取りをしてくれました。敬和に入れて良かったとつくづく思いました。高校生の男の子が、草取りをする姿はとても美しかったです。主に感謝です。」

 これは、M君(光風3年)のお母様が、「帰省届」の通信欄に書いて下さった文章です。私は、2つの意味でとても嬉しかったので、それを紹介させていただきます。
 一つは、語ろう会についてです。昨年、寮教師としてはじめてこの会に参加させて頂きました。この会の意義を十分実感しつつ、もっと良い会にしたいとこの時に思ったのです。私にとって「良い」とは、単純に、生徒の成長につながる意味で「良い」会にしたい、とそれだけでした。そのために一体何が必要か。それはまさしく「語ろう」会の名称そのもので、保護者と教師とが、率直に語り合う場としたいと思ったのです。保護者の皆さんは、のぞみ寮に大切なお子様を預けておられる中で、一体何を思い、何を考え、何に悩み、何を喜んでおられるのか?私は知りたいです。それは、もちろん私の立場ゆえにということでもありますが、皆さんと同じくのぞみ寮に愛してやまない我が子を託している親としても、そう思うのです。
 私は、子どもの前に立つ親として、ふだんから確信していることがあります。それは、親が「口で言うことはなかなか伝わらなくても、実体は伝わる」ということです。親や教師が、目の前のひとりの子ども・生徒のことについて、率直で真剣な語り合いをしている姿は、たとえ生徒からは直接見えることはなくても、そこに偽りのない実体があれば、必ず何かが子どもに伝わると私は信じています。そしてそういう子どもたちは、やがて彼らが大切にする価値観を前にして、率直で真剣な対話をする人間に成長していくと思うのです。
 そしてもう一つは、M君とお母様の感動的な姿です。夏休みに自分から進んで草取りをする男子高校生が、一体この日本に何人いるでしょうか!そして、その姿を見て「とても美しかった」と心ふるわせられる親がどれだけいるでしょうか!さらに、その感動を学校の教師に文書で伝えて下さる方がどれだけいらっしゃるでしょうか!ひと夏の何気ない光景かもしれませんが、私にとっては本当に心温まる嬉しいお知らせでした。そして、この手紙のことをM君に話すと彼はニコッと嬉しそうにこう言いました。
 「見ていてくれたんだー。」見ていてくれること。見ていること。これがどんなに大切なことか。お二人からあらためて教えられました。どうもありがとうございました。

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寮生リレー(130回)

 夏休み、いろんなことがありました。それぞれの地でエネルギー補給をし、学び、出会いを通して成長して帰寮した寮生達。そんな人たちの夏休みの出来事をご紹介します。

 

~敬和キャンプに参加して~

前に進んでいきたい  S.R(光風館2年 茨城県水戸市)

 僕が敬和キャンプに参加しようと思ったきっかけは、同じクラスで昨年敬和キャンプに参加した人からの誘いでした。僕は初め、自分は寮生活をしているから「キャンプに行っても行かなくても自分は変わらない」と思っていました。ですが、その誘ってきた友達が敬和キャンプで経験したことや学んだことを話してくれたことで、僕は次第に行きたくなり、参加することを決めました。
 初めて敬和キャンプに参加して、自分がどれだけ寮で甘えた生活をして、人に頼りがちなところが残っていたことを感じました。敬和キャンプで経験したことを寮生活に活かせたらいいなと思います。僕はとにかく自分が出来ることをしようということだけ考えていました。正直、そのこと以外は頭が回りませんでした。自分が出来ることをやるということは、出来たと思うところもあれば出来なかったところもあります。今、思い返すと出来なかったことの方が多かった気がします。それは悔いが残ったことのひとつです。
 僕は敬和キャンプに参加して、いろんな出会いの中でたくさんの経験をして、学んだことがあります。それは自分から行動しなければ前に進めないということです。2年生の夏休みが終わり、残り後半となってしまった敬和生活を僕は積極的に行動し、前に進んでいきたいと思います。

 

 

~全国高等学校総合文化祭に参加して~

平和と歌  S.A(めぐみ館3年 新潟市北区)

 私は高校生最後の夏休みに、新潟県代表として広島で行われた、全国高等学校総合文化祭合唱部門に出場させていただきました。そこで披露した曲は、作曲家の市原俊明さんに作曲していただいた『Worship of Nature』と、ジブリ映画「となりのトトロ」の挿入曲『さんぽ』の2曲です。市原さんに作曲していただいた『Worship of Nature』は大自然の壮大さを歌った曲です。英語の発音や曲の表現を何度か市原さんに直接教えていただき、たくさんの練習を重ね、完成しました。夏休み後半に控えた大会の曲と両立した練習は大変でしたが、『worship of Nature』はわたしたちの大切な1曲となりました。
 本番は、初めての地ということで緊張しましたが、今までの練習を自信に変え、歌いきることが出来ました。全国からたくさんの団体が出場していましたが、わたしたちと同じように歌を愛する人たちの合唱は、私自身とても刺激を受けました。
 また演奏だけでなく、平和学習も行いました。食べ物もおいしく、景色もきれいな広島からは、悲しい歴史があったのだとは信じられませんでしたが、平和記念公園や平和記念資料館でのガイドさんや現地の教会の牧師さんが語る事実の重みから実感することができました。
 このつらい記憶を乗り越え、今私たちは歌うことができているのだと思いました。このことを絶対に忘れてはいけないと感じました。そう思わせてくれた、この貴重な機会に感謝しています。

 

 

~広島碑巡りの旅より~

肌で感じた、二度と起こしてはならぬこと  S.M(光風館3年 新潟県新発田市)

 全ての事が衝撃的でした。
 平和記念式典の前日から広島は“特別な空気”に包まれていました。聞くと記念式典の行われる日の広島はお盆のようなもので、街中が慰霊ムードになるのだそうです。その中には世界中から平和を願う様々な国籍の人々も訪れていました。
 当日、私は実際に71年前ここにいたらどうなっていたのだろうと想像しながら、式典会場に向かいました。そして、8時15分。言葉には言い表せないような気持ちになりました。
0906_no03 被爆者のお話はどのお方も心に響く内容でした。爆心地から僅か1㎞の地点で被爆した寺本さんは、学童疎開中に病気にかかり広島の実家に一時帰宅した直後に被爆しました。疎開先に迎えに来た母親が長旅で疲れていたため、6日に帰宅する予定が当時10歳だった寺本さんの駄々によって4日に変更になったそうです。そして、原爆で母親を亡くした後は、とてつもない後悔をされたそうです。それでも家族の中で唯一生き残った自分自身に対し、「与えられた命」という言葉を言い聞かせ、ここまで懸命に生きてきたとおっしゃっていました。私自身、ここまで鮮明に気持ちが伝わってくる経験は初めてでした。そして、二度とこのような出来事を繰り返してはならないと肌で実感しました。
 しかし、広島に投下された原子爆弾は今やその何百倍もの威力となった核兵器によって世界を常に脅かしています。中には日本は核を持っていないから悪くないといった考え方を持っている人がいるかもしれませんが、それは間違っています。
 日本には非核三原則というものがあります。核を「持たず・作らず・持ち込ませず」という政策です。この非核三原則を世界に公表することによって、日本に核はありませんよと世界にアピールしたことになります。でも実際に、日本はアメリカの核兵器に守ってもらうという方針を取っています。これ、矛盾していると思いませんか?
 私たちは被爆者と同じ体験をすることはできません。しかし、それを想像することは誰にでも出来ます。被爆者の方々は「みんなで手と手を取り合って、身近なところで仲良くすれば必ず平和が訪れる」と口を揃えておっしゃっていました。そういった小さなことから繋げていけば、必ず核廃絶の大きな輪となっていくのではないでしょうか?
 11月13日(日)には北区文化会館にて碑巡りの旅参加者と英語特講受講者による原爆展を開催します。被爆者の方々の思いを後世に残していくためにも、是非会場に足を運んで下さると嬉しいです。

 

 

~アメリカ海外教室~

アメリカにあるボクのもう一つの家  N.T(大望館2年 群馬県太田市)

 この夏、僕は海外教室というプログラムに自分の夢のためとアメリカを思いっきり満喫するために行ってきました。僕は小学校の6年間を英語で学び、ニュージーランドでホームステイをした事もあり、このプログラムをずっと楽しみにしていました。アメリカで過ごした日々は僕の人生のかけがえのないものになりました。
 7月15日、サンフランシスコ空港に着き、ホストファミリーに会うためのバスに乗った。僕の頭の中はワクワクと楽しみに思う気持ちと不安でいっぱいでした。バスから降りるとそこには僕の名前が書いてある紙を高く掲げている家族を見つけました。その時の僕はなぜか少し懐かしく感じました。それは、僕の寮生活が始まった日のあの日の光景と全く同じだったからです。そしてアメリカで入寮日と同じように大きな紙を掲げてくれている人の所へ行き、新しい生活が始まりました。自己紹介をする時、僕は少し緊張していましたが、ホストファミリーは最初から僕が家族であるかのような雰囲気で接してくれました。そのおかげで僕はとても短期間で溶け込めました。
 ハンバーガー・ピザ・ホットドッグ・アイスクリームなどのアメリカンな食べ物をいっぱい食べ、家族と一緒に湖でカヌーに乗ったり、映画を観に行ったりしてとても楽しかったです。朝起きてすぐにコーラを渡された時は驚きました。
 プログラムの最後にみんなで歌を唄ったり、一緒に食事をして感謝の気持ちとお別れを伝えるためのSAYONARA パーティーがありました。そこで僕はホストファミリーからプレゼントをもらいました。その中には何と、家の鍵が入っていました。他にも「来てくれてありがとう。あなたは私の大切なもう一人の息子であり、家族の一員なのだからいつでも帰っておいで。」と書かれた手紙と記念写真が入っていました。
 アメリカでの生活で僕は、感謝することの大切さ、コミュニケーションの大切さ、そして世界中どこでも自分をさらけ出し、心を開けば誰とでも繋がれることを知りました。将来彼らのように、人の為に何かを喜んで出来る心の広い大人になりたいです。
 最後に、アメリカで新しい家族と絆を結ぶ機会を与えてくれた僕の家族にとても感謝しています。ちなみに、日本に帰ってきて、生まれて初めてホームシックになりました!

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変わるきっかけを与えられた2年生合宿

I.M(みぎわ館2年 新潟市東区)

 私は、正直2年生合宿をしたくありませんでした。なぜなら、集団で協力しながら何かをすることが苦手だからです。
 合宿は、ホールでのオリエンテーションから始まりました。その時の私は、2年生のみんながいるところから一歩離れたところで話を聞いていました。始めからみんなと距離を置いてしまっていたのです。次のプログラムである掃除が始まると、「集団」で活動するのが苦手な私は、また少し離れたところで掃除をしていました。そんな時、一人の仲間が声をかけてくれました。
「私の掃除する場所は終わったんだけど、何か手伝うことある?」と。
 仲間が積極的に手伝ってくれたおかげで、一人で掃除するよりも早く終わらせることができました。とても助かったし、何より声をかけてくれたことが嬉しかったです。
 また、夜のプログラムであるワークショップをやっている時のことです。グループに分かれて折り紙をしていたのですが、どうしても分からない折り方があり、私は困っていました。そんな時にもグループの仲間が私に声をかけてくれて、私が理解できるまで折り方を丁寧に教えてくれました。
 合宿が終わってから、「私のためにみんなが協力してくれていた」ということに気が付きました。それなのに私は、みんなに協力するどころか自分から離れていました。こんなに優しいみぎわ館の2年生の輪の中に入ろうとしない自分、本当はもっと入りたいけど入れない自分がいることに気が付きました。
 この合宿で、「協力することの大切さ」・「2年生みんなの心の温かさと優しさ」を実感しました。次は、私がみんなに返す番。自分から声をかけたり優しくしたり、合宿で実感した気持ちを、態度や行動で少しずつみんなに返すことができたらと思います。2年生のみんなを信じて頑張りたい、みんなの輪の中に入れる自分になりたいと強く思えたのはみんなのおかげ。2年生のみんなありがとう。

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【編集後記】

 夏休みが終わり、学校生活・寮生活がスタートしています。まだまだ残暑が厳しい毎日ですが、生徒達は暑さに負けず、目の前にあることを一つひとつ確実にやり遂げようとパワー全開で、日々生活しています。
 今年の夏休み、一人ひとりどのように過ごしたのでしょうか。家でのんびり休息の時間を過ごしたり、夏休みだからこそできる貴重な経験を積んできたり、様々な体験を通して自分自身を見つめることができたり……。休み中に心で様々なことを感じたことでしょう。夏休みに得た沢山の糧をこれからの学校生活・寮生活に生徒達がどう生かしていくのか。生徒達の成長を心から楽しみにしています。
 さて、9月に入りのぞみ寮では世代交代の準備が始まっています。3年生が1年間、のぞみ寮や各館の運営を担ってきてくれていましたが、そのバトンが今度は2年生へと渡されます。また、1年生も2年生と一緒に寮の課題と向き合い2年生をサポートし、共に運営していくことになります。一人ひとりが与えられた役割を担っていく中で、一回りも二回りも成長していくことを心から祈っています。

みぎわ館担任 小林 渚



2016年9月8日木曜日

光風館通信 2016年9月7日 第478号

< 2年生合宿〜ペットボトルのゴミ箱の作成・漫画専用本棚の補修作業〜 >
 夏休み明け帰寮日の前日である8月23日(火)に“2年生合宿”を行いました。2年生合宿とは、現2年生である48回生が労作を通して協力しお互いの良さを見つけたり、「これからどんな寮にしていきたいか?」というミーティングを行ったりする、肌で感じて頭で考えていく時間でもあります。この日は労作として“ペットボトルのゴミ箱の作成・漫画専用本棚の補修作業”をしました。今年の2年生合宿も館内掃除ではなく本棚の作成や修理としたのは、光風館の備品に自分たちの手を加えることによって、思い入れのある作品として大切にしてほしいからです。なぜ、“ペットボトルのゴミ箱”を作ったかと言うと、各階に捨てているペットボトルの散らかり具合をどうにか綺麗にしたい!と、2年生数名と私で話し合ったからです。

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0907_ko04 今回、木の板を組み合わせてネジで留めていき、キャスターと取っ手を付けて、ペンキで色付けするといった手の掛かる作業をしました。電動ドライバーが2ヶしかないので、時間が掛かるだろうなぁと考えていましたが……2年生のチームワークと手際の良さで予想よりも早く完成に至りました。3人1組で順調に進めていくところもあれば、明らかに組み合わせ方を間違えてやり直したところもありました。
 また、同時進行で昨年47回生が作成した漫画専用本棚の補修作業もしました。今までは背板が無く、本が綺麗に並ばなかったり、本が後ろに落ちてしまったりして困っていたので、ベニヤ板をペンキで綺麗に塗ってから貼り付けました。
 ペットボトルのゴミ箱も漫画専用本棚も綺麗に作ることが出来たので、大切に使ってください!そして、“いつも綺麗で爽やかな光風館”と呼ばれるように館内美化に努めていきましょう!(片岡)

 

 

 

< 礼拝のお話 >

「自分創り」    T.Z(1年)新潟県村上市出身

 敬和学園は“自分探しの学校”と言われていますが、私が敬和学園に来た理由は、“自分創り”です。なぜ、私が“自分探し”ではなく“自分創り”であるかというと……“自分探し”というのは、自分を探しているうちに「自分はまだまだこんなものじゃない」というプライドが生まれてしまい、これを繰り返してしまうという厄介なことに陥ってしまいます。それでは、“自分創り”とは何でしょう?養老猛司さんが書いた本の中にこういう言葉があります。「自分とは作品だ。学んで何かを残せる人もいれば残せない人もいる。何かを達成できる人もいれば達成できない人もいる。でも、ただ一つ残るものがある。それは学んだ自分だよ。」

 つまり、自分創りというのは自分という作品を人生をかけて完成させていくということです。それなので私は、これから敬和学園で学んでいくことを生かして、自分という作品を完成に近付けて行きたいです。

 

 

 

「強い意志を持って決断し実行する」    S.Y(3年)神奈川県大和市出身

 みなさん、夏休みはどう過ごしたでしょうか?海外教室へ行った人、短期留学をした人、敬和キャンプへ行った人、オープンキャンパスへ行って来た人など、様々だと思います。では、それぞれ行って来た場所でみなさんは何を経験し、何を得ましたか?ただ単にその場所へ行って「楽しかった!良かった!」だけでなく、何がどう良かったのか、楽しかった経験をしてどういう考えを持ったのか、自分にとってどうプラスになったのか、これが重要だと思います。そして、それを今後日々の生活やこれからの自分のため、周りのためにどう活かしていくかをみなさんにはしっかり考えてほしいです。

 僕は夏休み中に部活動の合宿へ行って来ました。その合宿は、長時間の厳しいトレーニングをしたり、何十キロも走ったりするといった内容でした。これを最初聞いた時、多くの人はフィジカルがつらい合宿だと思うことでしょう。ですが、僕たちがこの合宿でメインとしていることは、メンタルを鍛えることです。僕が1・2年生の頃は、「ただただきついだけだから早く終わってくれ」といったダラけた気持ちで終えてしまった合宿でしたが、それでは全く意味が無いし、自分の力にはならないということを3年生になって、やっと気付けました。3年間で最後となる今回の合宿に3年生として参加し、自分に負けず終わった時には自分自身が成長出来たと思えるものに絶対しようという気持ちで臨みました。その合宿を終えた今、僕は強い決断をして臨み、自分の気持ちに勝ち、やり切ることが出来た達成感があります。また、合宿で全力を出し切った力が、今現在励んでいる毎日のトレーニングで確実に自分の力として身に付いてきていることを実感しています。今、話したことはあくまで僕の経験談ですが、みなさんも似たような経験があったり、あるいはこれから似たような経験をする人もいたりするかもしれません。

 僕が最終的に言いたいことは、何かにチャレンジする機会が与えられた時には、強い意志を持って決断し、実行してほしいということです。それが必ず良い結果となるか、わかりません。ですが、それが後々自分や周りに良い影響を与え、良い結果へ繋がるためのきっかけとなります。それを信じて、今後も強い意思を持って決断をし、たくさんのことにどんどんチャレンジしていってほしいと心から思います。



2016年9月5日月曜日

めぐみ館通信 2016年9月5日 第60号

始まりました!~おかえりなさい~
 めぐみっ子のみんながいれば、めぐみ館はまさにHOMEです。夏休み中、物音ひとつしないめぐみの建物は、シーンとしていてなんだか急に知らない場所になったような気がしました。
 帰寮日、いつもの活気を取り戻しためぐみ館を見て「あぁ、これだ、これがめぐみだ」と思いました。笑ったり泣いたり歌ったり叫んだりするみんなの声に満たされてこそのめぐみ館です。たっぷり充電して帰ってきたかな、おかえりなさい!
 この約1ヶ月の休みの間、佐渡での敬和キャンプ、広島碑めぐりの旅、アメリカ海外教室、部活動の大会や合宿、進路選択に向けたオープンキャンパス等々、心も体も鍛えられる学びを経験した人が多かったようです。
 4月の年度初めのスタートから走り続けてきて、そのままの勢いで夏休みに突入した人も少なくありません。家で過ごす貴重な時間を早めに切り上げて、8月20日に行われた夏のオープンスクールの労作をしてくれた人もいました。「えー!じゃぁ、あんまり家でゆっくりできなかったんだ」という私に「そうなのーあっという間だった。でもね、なんかとても充実してた」とキラッキラの顔を見せてくれました。そんなたくましい姿を見ながら、新潟の友だちに言わせると「もはや海外」な福岡から敬和のぞみ寮に来ていた私は、1年生の夏休み明けにホームシックになったことを思い出していました。
 さて、新学期が始まりました。始業日の前日、久しぶりの再会で盛り上がっているかと思いきや、必死になって夏休みの課題をやっている人がたくさんいました。夏休み中、休みすぎたのかな。始業日、ある先生がお話されていました。「新しい学校生活は始まるのではなくて始めるのです。そして、もちろんそれを始めるのは私たち教師ではなくて、みなさん敬和生の一人ひとりです。」と。新学期を始める準備はきちんとできているでしょうか。私自身、自分のことを言われている気分になりました。通信の原稿を書くとき、礼拝のお話を考えるとき、生徒に向けた言葉を文章にしてもう一度自分で読み返してみると、毎回そっくりそのまま、自分に問い直すべきことばかりなのです。4月からの5ヶ月間、ずっと思ってきたことではありますが、改めて私自身一緒に成長させていただいているなと実感しています。伸びしろがまだまだあるってこと!と前向きに、ゆっくりではありますが進ませていただきたいと思っています。後期も、どうぞよろしくお願いいたします。(村田)

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礼拝のお話
「人に伝える喜び。伝わる優しさ」 ~オープンスクール労作から~
1年 U.H
 夏休み中にあったオープンスクールの労作について話したいと思います。昨年、私はオープンスクールに参加しました。学校を案内してくれた先輩がとても優しくて、敬和の良い所をたくさん教えてくださいました。
 その先輩の姿に憧れ、敬和に入学することを考えるようになりました。人に優しく出来ることは、とてもすごい!とあらためて思いうようにもなりました。
 労作に参加希望をしたのは、敬和の良さを、来た生徒さんにたくさん知って欲しかったことと、人に何かを伝えることが苦手な私を克服したかったからです。
 しかし当日はいつも以上に気温も高く、昨年よりも大勢の生徒さんが参加してくださり、とても大変でした。見学案内の練習をしたにもかかわらず本番では緊張してしまい、伝えたいことがしっかりと言えませんでしたが、知って欲しいことを伝える練習にもなったし、来てくださった生徒さんたちに敬和の良い所を知ってもらえたと思うので良かったです。
 皆さんも忙しいとは思いますが、オープンスクールの労作に参加してみてはいかがですか?自分の良い所と苦手なところをちょっとでも気付くことができると思います。

 

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 夏休み中に開催されたオープンスクールの労作のために、休み中にもかかわらずに早目に帰寮し活躍してくれました。入学前に労作活動していた先輩の姿がとても印象に残っているのだそうです。緊張しながらも労作できることをとても喜び、学校案内・寮案内を、心を込めて説明している姿がとても微笑ましかったです。(小菅)

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新たな気持ちで
 それぞれの時を過ごした夏休みを終えて、後期の生活がスタートしました。2年生は、1日早い帰寮で“2年生合宿”からスタートしました。洗濯機置き場の排水溝掃除、洗濯漕の中、テラスの溝の掃除、窓ふき等、普段行き届かないところの掃除を、にぎやかに進めてくれました。始める前は、「合宿は、掃除でしょ!」とちょっぴり気のりしない言葉が耳に届きましたが、いざスタートすると、各階のチームで手際よく段取りをし、丁寧に、気持ちよく取り組んでくれました。「キレイになって気持ちいいね」と、スッキリとした表情も見られました。
 夜は、各階対抗のゲームを取り入れながらミーティングをしました。

①A4の用紙2枚で輪つなぎをどれだけ長く作ることができるか。

②パスタ20本、テープ90cm、ヒモ90cmを使用し自立タワーを作る。頂上には、マシュマロを指す。

③折りたたんだ新聞紙に2年生全員が乗ることができるか。

 チーム間で“それぞれの役割を持ち、進められるか”“人の話を聞き、受け入れながら、実践できるか”等の目的でゲームを行いました。目的を知らせずに進行しましたが、しっかりとゲームの意図を感じとりながら取り組むことができました。2年生全員で新聞紙の上に乗るゲームは、始めはぎこちない距離感がありましたが、それぞれの存在を意識し、知恵を出し合い、声をかけ合いながら、距離が縮まりひとつの輪になっていく姿は印象的でした。
 2年生は、世代交代を控えて、それぞれに期待、不安、緊張感を持ちながら、想いを膨らませています。合宿で行ったゲームの様に、物事は上手くは進みません。思うようにいかずに、くじけてしまう事があると思います。みんなで助け合い、支え合いながら作り上げていくことをいつも心に留めて、居心地の良いめぐみ館作りを進めていってほしいと願っています。(小菅)

 

 

~2年生合宿のひとこま~

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