2016年7月22日金曜日

光風館通信 2016年7月20日 第477号

< 寮体験プログラム >

 7月10日(日)から寮体験プログラムがありました。寮に興味を持っている通学生が約1週間だけ寮生活を送るというプログラムです。今回、申し込んでくれた通学生はY.N(2年)でした。バスケ部部長で元気いっぱいに学校生活を送り、光風生とも仲良しの彼なので、私が「Y.N君が寮体験プログラムに申し込んでくれた」と伝えたところ、歓声が上がりました。大盛り上がりした歓迎会でスタートし、寮体験プログラムを通して、彼はのぞみ寮生になって変わりたいと強く感じてくれたようです。
 夏休み明けには、光風館の仲間となります。彼が光風館に新しい風を吹き込み、仲間を大切にしながら力を発揮し、共に成長してくれることを願います。寮体験、お疲れ様!そして、入寮を楽しみにしています。

(片岡)

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「変わりたい」  Y.N(2年)新潟市中央区出身
 敬和に入学したのは、最悪だった。受験に失敗して、入らざるを得なかった。入学当時、学校が嫌いで仕方なかった。一年時は、たくさんの人に迷惑をかけ続けていた。そんな自分が二年生になって、少しずつ変化していると思う。他人から見たらごく普通の当たり前のことだが、毎朝スクールバスに乗り、授業をサボらずに参加するということだ。その日々の生活の変化や部活に対する考え方、立場も加わり、ここ最近とても力強く考えていることがある。それは「変わりたい」ということだ。家にいると甘えや逃げが簡単に出来てしまう。ケータイと共に生活して、家のことは親が全てやってくれる。そんな生活は嫌だ。変わりたい。自立したい。でも自分は、何かきっかけが無くては行動に移せない。
 そんな中、たった一つだけ「これだ!」と思ったことが入寮するということだ。1週間の寮体験を終えて、自分は変われると思った。確実に変われると思った。何もわからないまま体験が始まったが、同室のK.S君を始め、光風館2年生のみんながわからないことを教えてくれて、楽しいものとなった。
 僕は夏休み明けから寮生になる。誰とでも笑えて、自分の意見をしっかり持ち、意見を言える人間に変わりたい。そして、貴重な体験が出来る寮生活をたくさんの人と関わって、より価値のある充実したものにしたい。また、最後は敬和学園のぞみ寮光風館48回生のみんなと共に卒業したい。もうすでに感じ始めているが、きっとその頃には、さらに敬和を愛していることでしょう!

 

 

 

 

< 礼拝のお話 >

「敬和に行きたい」    Y.K(1年)長野県小諸市出身 
 僕の出身は長野県小諸市です。小諸は浅間山麓に位置し、坂が多く、自転車に乗る気力も失せます。あまり名が知られている市ではありませんが、「あの夏で待ってる。」と言うアニメの舞台になった市で、作品中には僕の通っていた中学校も出てきます。このアニメを知っている方がいたらぜひ、小諸に訪れてみてください。さて、こんな新潟とは何のかかわりも持っていない僕が、なぜわざわざ地元を離れて敬和学園に通っているのか、正直自分でも理由ははっきりとは分かりません。中学で高校のことを少し考え始めた当初は、「兄貴と同じ高校に行くのは嫌だ」という、今考えていれば理解し難い程意味不明な妙なプライドを持っていました。しかし、身内に敬和生がいるので、多少たりとも敬和のことは意識していました。妙なプライドが消えたのは、兄が敬和に通い始めてまだ月日が経過していない時だったと思います。夏休みなどで家に帰ってきた兄がするのは、必ずと言っていい程、学校の話ばかり。何度も同じような話を聞かされたりもしましたが、そのときの兄はどことなく生き生きしていました。その楽しげな姿を見て、プライドは消え去りました。家族と離れるということも関係無しに「敬和に行きたい」と思いました。それなので、敬和に来た理由を挙げるとしたら、敬和生である兄の言葉に突き動かされたといったところでしょうか。しかし僕は今、理想とは全く違う現実の学校生活に多くのストレスを受けています。ですが、今この場所にいるのも、神が導いてくださっていることだと思うので、今直面している問題と向き合い、ひとつずつ解決しながら過ごしていこうと思います。

 

 

 

 

 

「自分探しはこれから♪」    Y.Y(1年)新潟市西区出身 
 僕は中学生の時、ソフトテニス部に所属していました。ソフトテニス部ではペアと共に協力する大切さを学びました。もうひとつの思い出は合唱祭です。みんなでダメなところを指摘し、みんなで団結して優秀賞を取ることが出来て、最高の合唱際となりました。
 学校や寮でいつも明るくて変なことばかり言っている僕ですが……敬和に来た理由は、いつもだらしなく、親に頼ってばかりいる甘い自分を直し、自分のことは自分で出来ることや人のことを思いやれる優しい人間になりたいと思ったからです。敬和で期待することは、卒業する時に敬和生活は楽しかったことや敬和に来てよかったと思えることです。

 

 

 

「名護を見る私」    Y.N(1年)名古屋市昭和区出身
 私の名前である「N」という名前を持つ人はほとんどいないと思います。私の知る限り、Nという人は他に2人しかいませんし、面識もありません。この珍しい名前の由来は3つあります。1つ目は読んでそのままで、2つ目は「平和な海のように」で、3つ目は「名護を見る」です。3つ目には説明が必要です。「名護」とは沖縄本島北部の市の名前です。名護市には、時々話題になる辺野古があります。辺野古は、この20年間米軍基地移設問題の舞台となっています。16年前、私の両親は「名護、特に辺野古が平和になる様子を見てほしい」という意味でこの名前をつけました。
 私が敬和に来た理由ですが、敬和への進学を決めたのは中学1年の夏でした。当時、私は中学生活にギャップを感じ、ストレスを抱え、体調を崩しがちでした。そんな中、敬和の夏のオープンスクールに参加しました。ランチや模擬授業、寮見学、声楽部の演奏に参加するうちに、敬和に入ろうと思いました。そして、今ここに私がいます。



2016年7月20日水曜日

みぎわ館通信 2016年7月18日 第245号

「朝活します!」
 7月も半ばだというのに朝方はまだヒンヤリする今日この頃。第二定期テストも終わり、夏休みまで残り……とカウントダウンを始めると、なんだかどっと疲れがやって来て、身体も気持ちもどんよりするのがこれまでの定番でした。が、今年は例年よりお疲れさんが少ないように感じるのは私だけでしょうか。
0718_mi01 「明日の朝、朝活するね~。」と消灯直前にもかかわらず元気いっぱいに声をかけてくる1・2年生達。朝活とは、早朝活動。朝6時からキャンパス内でする活動のことを指します。1年生は朝からキャッチボールをしたり、走ったり。2年生は猛ダッシュをしたり、ゆったり走ったりしているのだそうです。1年生は「朝から動くとすっきりするし、一日元気に過ごせる!」を理由に朝活を。2年生は「美を追い求めて!」を理由に朝活を。3年生はそんな1・2年生を見て「若いね~。」と(笑)。そして朝活をするから、夜は早めにしっかり寝て、備えます。当たり前のことなのですが、ついつい夜更かししてしまいがちの高校生達が、朝活を楽しみに自ら生活リズムを理想の形で整えている事、すごいなぁ!と思います。
 朝活のルールは大きく3つ。①6時以降からであること、②2人以上で行う事、③キャンパス内で行うこと、です。②の「2人以上で行う事」が意外と難しいのではないかと思われるかもしれませんが、45人もの寮生が一つ屋根の下で暮らしているのです。同じ思いを持つ人は必ずいます。時には同学年同士で、時には先輩後輩とで、元気にボールをつきながらみぎわ館を出発していく様子はとっても素敵です。
 みぎわっ子が、ここで共に暮らす仲間と共に遊び、共に食し、共に笑い、そして悩み合い、語り合い、支え合い、助け合いながら、仲間の輪の中で一人一人が大きく成長していくことを祈っています。

(森口)

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魔法の言葉
 先日の礼拝の報告・連絡時、一人のみぎわっ子3年生が手を挙げました。何だろう?と思っていると突然、「ごめんなさい!」と全体に謝ったのです。「本当に、ごめんなさい!私、冷蔵庫にさくらんぼを入れていたんだけど、それを昨日全部食べたの。そして今日、冷蔵庫を開けたら、私の名前が書いたさくらんぼが入ってて……、私、違う人のさくらんぼを食べちゃったみたいなの~!本当にごめんなさい!心当たりの人、私に教えてください!」とのこと。聞いていたみぎわっ子達全員、大笑い。食べられちゃったみぎわっ子1年生は、「それ私のだ~!」と手を挙げて言ってくれ、またみんな大笑い。失敗を告白し、謝罪をしているのだけれど、とってもとってもみんなの力が抜けた温かい時間となりました。
 また別の礼拝の時、その日のお話はみぎわっ子2年生。彼女は「ありがとう」というその一言を心を込めて伝える事で、発する自分にも聞く周りにもいい影響がある。「ありがとう」を伝えることは人間関係を円滑にするコツ、自分が豊かに生きるコツだと思うと話をしてくれました。その締めくくりに、「この場を借りて、私はみんなにありがとうを伝えたい。昨年1年間、ずっと私には悩みがあった。どうすることも出来ないから、私がどうにか耐えていればいいんだと思い過ごしてきたが、2年目になり耐えることが出来なくなってきた。しんどくてたまらなくなってきた。そんな時、声をかけてくれるみんなの存在に気が付き、とっても不安だったけど、嫌われるかもしれないと思ったけど、助けを求めてみた。そしたら、全員が、任せて、そんなことくらい!と言ってくれた。どんなに私が救われたか。もっと早くにみんなを頼れる私であれたら……とさえ思えた。本当にありがとう。今、私の心はとても軽いです。みんなのおかげです。本当にありがとう。」と話してくれました。涙なしには聞けない私がいました。
 寮生活で大事にしてほしいことの一つに私は必ず、「ありがとう」と「ごめんなさい」を心を込めて発することを挙げます。「ありがとう」と「ごめんなさい」これは、魔法の言葉と言っても過言では無いでしょう。寮生活で起こる失敗や間違いは、誰しも山の様です。当然私だってです。そんな時、「ごめんね」と一言言えば、絶対許してくれるのがのぞみ寮の仲間です。「ごめんなさい」は自分が許されるだけでなく、耳にした相手や周りの人たちの気持ちもホッと軽くさせてくれるのです。素直に「ごめんなさい」を伝えることは、自分にとっても周りにとっても心を穏やかにさせてくれる、素敵なことなのです。
 さくらんぼ事件の3年生はみんなの前でそれを実証してくれました。みんなの前で謝るのはとっても不安だったし緊張したし……でもみんなが笑って許してくれて、1年生にもごめんなさいが言えて、さくらんぼも返せて、ホッとした!謝ってよかった!と振り返ってくれていました。
 そして「ありがとう」は、みぎわっ子2年生がお話してくれた通りだと思います。彼女の最後の締めくくりを聞いて、「そんなことくらい任せて!」と彼女の背中をたたいてくれたみぎわっ子達は、改めて自分たちの言動がどんなに人に力を与えたか、人の不安を取り除き、希望を与えたかを知ることになったはずです。想像を超えた、ステキなことを自分がしていた事に自信も持てたかもしれません。彼女がみんなに伝えずにはいられなかったほど嬉しかった出来事なのですが、彼女の「ありがとう」を聞いて、きっとみんなも力を与えられたことでしょう。
 気持ちを伝えるのが苦手で……というみぎわっ子達。「ありがとう」と「ごめんなさい」だけでもたっぷり気持ちは伝わります。恐れず、仲間を信じて「自分」を発信していってください!いつも祈っていますよ!!

(森口)



めぐみ館通信 2016年7月18日 第58号

体験入寮のMさんを迎えて
 2期テストを終え、ホッと一息。夏休みの帰宅を心待ちにしているめぐみっ子です。
 体験入寮で1年生のH.Mさんを迎えました。Mさんを迎えるために、1年生は集まってにぎやかに、「ウエルカムボード」の作成をしたり、安心して寮生活ができるためにと話し合いをしたり迎える準備を整えてくれました。和気あいあいに語り合う様子を見ながら、入寮の頃の不安いっぱいの表情が重なり、3ヶ月の日々で心がほぐれ、表情もほんの少し大人び、一人ひとりの成長をうれしく感じた場面でした。
 行事委員の3年生は初日に「歓迎会」を企画してくれました。メインゲームは、めぐみ館恒例の“フルーツバスケット”こんなにもエネルギッシュな“フルーツバスケット”を見たことがありません。テスト明けでリラックス気分。笑顔あふれる和やかなひと時を過ごしました。

(小菅)

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「体験入寮を通して」  1年 H.M
 私が寮体験をしようと思ったのは、通学がだんだん苦しくなってきたからです。通学に2時間かかり、電車もバスも座れません。部活もやっているので体力の無い私は家に帰ったら倒れこむように寝るという毎日でした。
 寮体験を決めたものの、初日は家族から離れるということで、不安で、不安で仕方なかったです。ですが荷物を運ぶのを手伝ってくれた1年生が明るく話しかけてくれて、緊張がだいぶほぐれ、うれしかったです。また2,3年生の先輩からも「よろしくね」「楽しんでね」等、声をかけていただきとても温かい気持ちになりました。
 寮の生活ははじめてのことばかりで、覚えるのが大変でしたが1年生や先輩に教えてもらってなんとか生活をすることが出来ました。特に同室のTちゃんには本当にたくさんのことを教えてもらって感謝しています。教えることは大変だったと思うけど、やさしく教えてくれてありがとうございました。
 この1週間で分かったことは、寮は助け合いで、人のことを考えて行動するということを学べるところだということです。同じ部屋で生活をするので「迷惑かな?」「うるさいかな?」と人の迷惑にならないか考えます。家にいるときは好きなことをやっていたのですが、人の気持ちを考えるというのは大人になって、社会に出ても大切なことだと思うのでとても勉強になりました。
 この1週間お世話になりました。まだ入寮するかすごく迷っていますが、もし入寮することになった時はまたよろしくお願いします。

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礼拝のお話
「私の大切にしている時間」  1年 I.S
 私の両親は教会の牧師をしています。だから私は生まれた時から教会に行っています。今日は私が過ごしてきた、教会生活についてお話をしたいと思います。
 教会生活といっても、小学校までは普通の子どもの礼拝に出席して、礼拝の中でするゲームやお話、讃美を楽しんでいるだけでした。でも中学生になって部活の時間が、子ども礼拝と重なるため大人の礼拝に出席するようになりました。最初の頃は“つまらないなぁ”とお父さんの聖書の話を聞いているだけなんてと思いながら礼拝をしていました。
 中学2年生のある日。教会に来ている若い人達に「一緒に讃美バンドを組まないか?」と誘われました。最初は、社会人と中学生で讃美チームができるのかな?と思っていました。でもこれはなんだかやった方がよさそうな気がしたので、戸惑いながらも讃美チームに入りました。主にピアノを担当しました。
 中学生になると、小学生の頃より悩みも増え、苦しいこともありました。そんな時は、讃美したり、祈ったり、聖書を読んだりしました。讃美したり、祈ったり、聖書を読むと、イライラしたり、ムカついていたことがスッととれて、落ち着いて物事に向き合うことができます。この体験をしてから、私は苦しいこと、辛いことがあると讃美し、祈り、聖書を読みます。今では讃美の素晴らしさを教えてくれた讃美チームに感謝しています。
 私の心に残っている聖書箇所を紹介したいと思います。「常に主を覚えてあなたの道を歩け。そうすれば主は、あなたの道筋をまっすぐにしてくださる」(箴言3章6節)
 みなさんも、辛いこと、苦しいことがあったら、是非一番に神様に祈り、助けを求めてみてください。

 

 

 

「両親への感謝」  1年 A.Y
 私は、自分から希望して入寮しました。家では、とても我がままで、自分では何もしないのに、両親に文句を言い、何か言われると口答えばかりしていました。
 “そんな自分ではいけない”“変わりたい”と思い始めた時に敬和学園のことを知りました。“自分を変えられるのは敬和だ”と両親に敬和を受験したいと気持ちを伝えました。両親は私の気持ちを受け止めてくれました。
 自分で希望した寮生活でしたが、初めてのことばかりで戸惑うことが多くあり大変でした。両親に甘えて生活をしていたこと、そしてありがたさを強く実感しています。両親にたくさん心配をかけたことも後悔しました。
 寮生活は大変なことも多いですが、人間関係や親のありがたみもわかって、入寮して本当に良かったと思っています。この生活を支えてくれている両親に感謝し、たくさんのことを学び、過ごしていきたいです。

 

 

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 1年生14名の初めての礼拝のお話の掲載を終えました。自分の言葉で一生懸命に語っていました。経験することを怖がらずに、チャレンジしてほしいと願っています。成長していく姿が今から楽しみです。(小菅)



2016年7月13日水曜日

光風館通信 2016年7月10日 第476号

< 誕生日おめでとう!! >
 光風館では誕生会を開催しています。その月と前後合わせて4〜6名になるようにして、誕生者から食べたい料理のリクエストに応えて、私が作ります。
 4〜5月誕生会のリクエストは『親子丼』でした。鍋いっぱいに準備した鶏肉の卵とじと米8合炊いたのに、あっという間に無くなるほどの食欲でした。
 6月誕生会のリクエストは『鶏の唐揚げ』でした。
 「一人当たり何個食べられますか?」と聞いて、「俺、○個目だから、あと○個食べられる!どれにしようかなぁ」と賑やかにガツガツ食べていました。
 全員に必ずある特別な日、その誕生日をお互いに心から祝い、自分に与えられている才能・個性・生命を喜ぶ時としてほしいと願っています。
 最後に、私の誕生日も祝ってくれてありがとう!光風生おもしろ写真集に力と笑顔を貰いました!!

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< 礼拝のお話 >

3つの柱」               S.S(1年)福岡県小郡市出身

 敬和学園に入学した理由は、父の勧めと姉の存在がとても大きかった様に思います。46回生であった姉にはいつも敬和の良さを聴かされていました。しかし、その段階では受験する気がありませんでした。元々、通っていた中学校が中高一貫校で受験せず、高校に進学出来たからです。秋頃までは敬和に入ろうなど全く思っていませんでしたが、器楽部だった姉の引退コンサートということで、初めてここ敬和学園を訪れた僕はすばらしい体験と出会いをしました。それは敬和で生活し、変わり、輝いていた姉の姿と小西校長の言葉でした。個人的に校長とお話する機会を頂いた時に、「幸せな高校生活を送りたいならここに来なさい」と言われ、とても心が揺らぎました。それから12月頃まで悩みに悩んだ末、受験を決めました。入寮・入学をしてからは、とても充実している濃い時間を過ごしています。特に期待していた寮生活では、“集団生活の中での自立”“苦労をする”“人とのコミュニケーション力を養う”というこの3つを柱として生活を送ろうと思っています。これからも幸せな高校生活を送って行く中で、自立して行くためにコミュニケーション力を養い、多くの苦労をしながら、これからの寮生活を送って行きたいと思います。

 

「田上はいい所」             S.T1年)新潟県田上町出身

 私の出身地である田上町は、正直言うと田んぼしかない町です。駅は当然無人駅ですし、街頭がない道もあり、夜は真っ暗、おまけにスーパーマーケットすらありません。ですが、そんなド田舎にも良い所があると思います。個人的には、電車の窓から見る一面田んぼの景色がとても気に入っています。

 こんな田舎から敬和に来た私ですが、敬和に入学した理由は親や担任の教師に勧められたこと、自分のだらしなかった生活を直すために寮生活をしようと思ったからです。私がこれからの寮生活に期待することは、まだあまり話したことのない寮の人たちと話してみたり、寮で規則正しい生活をしたりすることによって、だらしなかった自分を正し、自律した生活の出来る人間になって行こうと思います。

 

「母の言葉から」               M.K(1年)東京都青梅市出身

 僕は敬和に来るまで、家でずっとテレビを見たりゲームをしたりして、親の手伝いもあまりしない生活を送っていました。そんな時、母が敬和学園について教えてくれました。「敬和には寮があるから、そこでちゃんとした生活を送れるようになりなさい。」と言われ、敬和への受験を決意しました。敬和に来てからは何でも自分でやらなければいけない生活は大変ですが、学ぶことも多いです。僕は寮生活で自立した生活を送れるようになりたいです。

 

「自律出来る人に」              Y.K  (1年)新潟市西蒲区出身

 僕が敬和学園に来た理由は寮生活するためです。ですが志望する前、寮がすごく嫌いでした。なぜかというと、自分が好きなゲームが全然出来なくなるからです。ずっとゲームをしていたせいで、生活習慣が悪く、親の手伝いもほとんどしていなかったので、これではだめだと思い、自分で家事をしなければならない寮生活のある敬和学園を志望しました。寮生活に期待することは、自制心を高め、卒業してからも自律できる人になることです。



2016年7月8日金曜日

めぐみ館通信 2016年7月5日 第57号

喜び・悩みを共にしながら 
 「○○さんとムーンライトの材料買いにコンビニに行ってきま~す」と先輩と出かけることがうれしくて仕方ない表情の1年生。“ムーンライト”とは女子寮に代々受け継がれているアイス、クッキーをベースにし、チョコ、クッキー等でデコレーションをする手作りケーキです。冷凍庫で一晩寝かせてオリジナルムーンライトの出来上がりです。次の部屋替えを控えて、あちこちの部屋でムーンライト作りが行われていました。
0705_me01 先輩と一緒に楽しい時間を共有することのうれしさが伝わってきました。特に1年生にとってはじめて出会った先輩は、これからの生活の中でも大きな心の支えになっていくと思います。
 6月下旬部屋替えを終え、新しい生活をスタートしています。3年生は、進路に向けて3年生のみの部屋となり、受験等に向かって学びを深めています。1,2年生も2期テストに向けての取り組みが早くも始まっています。1期テストよりもかなり早い取り組みです。お互いに刺激し合って頼もしい姿です。
 新しい出会いの部屋で、喜び、悩みを共にしながら関わりを深め、成長の機会にしてほしいと願っています。(小菅)

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旬のめぐみパーティー
 先日、1年生のおばあさまから「ぜひ、みなさんでどうぞ」ときゅうりをたくさん頂きました。「事務室にきゅうりがあります。召し上がりたい方は事務室までいらしてください」この放送を聞いたみんなが、きゅうりを求めてわらわらと集まってきました。「味噌がいい!マヨネーズがいい!味噌マヨがいい!」「いやいや、そのまんまでしょ」と盛り上がりながら、きゅうりスティックにしてみんなで楽しみました。一人数本で、めぐみ館は大体40人だからこのくらいあったら十分かな?と考えて切ってきたのですが、私がちょっと席を外して戻ってきてみるともうお皿は空っぽ。結局、頂いていたきゅうりすべてを、その日のうちに食べきってしまいました。「おばあちゃんの味がする~」「きゅうりだから、夜食べても大丈夫だよね、太んないもんね」「このきゅうりなら、ずっと食べ続けられる!」なんておしゃべりをしていました。その晩は続いて、つやっつやのさくらんぼが登場しました。「週末行ってきたの」と、2年生が採れたてさくらんぼを持ってきてくれました。こちらもあっという間にみんなのお腹の中に。
 季節のものをおいしくいただけること、みんなでどうぞ、と快くシェアしてくださること、学年関係なくぎゅうぎゅう詰めて、一緒に座ってみんなで食べられること、たくさんの幸せを感じたひと時でした。(村田)

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礼拝のお話
「憶病だった私が変われたこと」  1年 K.M
 私の通っていた幼稚園は、一学年十数人、もしくはそれ以下という小さな幼稚園でした。そのため各学年1クラスしかなく、男女、学年共に関係なく皆仲良しでした。私は自分の思っていることをすぐ口にしたり、先生にいたずらをしたり、とにかく落ち着きのない子でした。しかしそんな姿も幼稚園に通っていた時までで、小学校に上がると知っている友だちが誰もいない環境になりました。仲が良かった友達は、皆別の小学校へ行ってしまい、今までのようにいろんな人と話すことが出来なくなりました。勉強は分からないし、友達もいない。「学校へ行きたくない」と言った日もありました。けれど次第に友達も増えてきて「学校へ行きたくない」とは言わなくなってきました。
 姉の影響で敬和に入学しましたが、やっぱり最初は心配で不安でした。でも「あの時は自分から言葉を発しなかったからだ」と思い「大丈夫だ」と自分に言い聞かせました。今思うと小学校の私は本当に憶病でした。今ではクラス、寮、部活で笑っている私がいます。しかしあの時の経験は無駄ではないと思っています。あの時の私がいたからこそ「自分から声をかけよう」そう思えるからです。
 一つ一つの経験が後々役に立つと私は最近思うようになりました。

 

 

「出会いのチャンス」  1年 O.A
 私は敬和に入学することが本当に嫌でした。1番の理由は、自分の事を誰も知らない環境の中で新しい人間関係を作ることにうんざりだったからです。私は父の仕事の関係で引っ越すことが多く、高校くらいは引っ越さずにいたいと思ったからです。地元と呼べるところがない私にとって、一つの場所に長く住むことが憧れであり、夢でもありました。
 敬和の卒業生でよいところをたくさん知っている両親は、敬和に入学することを勧めてきました。そして私は勧めてくる両親と言い合いになる日々が続きました。でも今思うと入学前の自分は、新しい出会いが出来ることがどれくらい素晴らしく自分を成長させてくれるかを忘れていたと思います。与えてくれた出会いのチャンスを逃さないで良かったと今は素直に思える先生、先輩、友達が出来ました。
 これからもたくさんの出会いがあると思うけど出来る限りそのチャンスを逃さないようにしたいです。また様々な人と出会い、自分の考えをもっと豊かにしたいです。新しく人間関係を築く時に楽しい時もあれば、面倒で疲れてしまうこともあると思いますが、出会いのチャンスが出来た時は逃さずにすごしていきたいです。

 

 

「前向きに…」  1年 F.J
 私は敬和に入学するまでは、人と関わるということをしてきませんでした。何故なら人と関わることがトラウマになっていたからです。自分の気持ちや自分の事を話してきませんでした。いつも人に合わせ自分を抑えてすごしてきました。でも敬和に入ってから自分の事を少しずつ話せるようになってきました。最初は誤解されてしまうこともあり、今までの辛い経験を思い出し何度も「家に帰りたい」とか「今までと同じでろくなことがない」とネガティブに考えがちでした。
 でも今は敬和に入学して良かったと思っています。何故なら自分の事を理解して話をしっかりと聞いてくれる友達がいるからです。誤解されてしまうこともありますが、前より前向きに考えられることが多くなり、何より人と関わることが楽しくなってきました。
 また誤解されやすい言動を少しずつ直していきたいと思います。これから辛いことが何度もあると思いますが、前向きにとらえて乗り越えていきたいです。

 

 

「自分のペース」  1年 T.M
 みなさんは「自分のペース」が分かりますか?わたしは、「自分のペース」が分かりません。私は昔から「自分のペース」が分からずに、がんばりすぎると疲れるということがよくあります。がんばっている時と、限界を超えた時の波が大きいのです。それも100%どころか、200%の力を出し切って、そのしわ寄せが後に来るという感じです。がんばっている時は、自分が疲れているとは気付かずに、それどころか「まだ行ける!」と思ってしまいます。そして限界をすぎてからやっと気付きます。時すでに遅く疲れてヘトヘトになってしまいます。
 これを何度も繰り返しているのですが、なかなか「自分のペース」をつかめません。1時間休めばいいのか、半日休めばいいのか、1日休んだ方がいいのかも正直分かりません。まずは、さぐり、さぐりやっていきながら、3年間で大きな波を小さくして「自分のペース」を見つけたいと思っています。

 

 

「かけがえのない存在」  1年 S.M

 7歳離れた弟の話をしたいと思います。「きょうだい」には「きょうだいゲンカ」がつきものです。私も7歳離れている弟とケンカをしてしまいます。「自分のせいではないのに、私が悪い」と親に言われてしまうこともよくあります。

ですが、私にとって弟は、かけがえのない存在です。同じ食卓を囲めないこともさみしく思います。敬和に来るまでは、毎日のようにケンカをしていましたが、今は、弟と会いたくてたまりません。兄弟は、「かけがえのない宝物」だと思うのです。

 

 

「敬和での生活の中で」  1年 O.M
 今日は敬和に入学をして、感じたことをお話したいと思います。私は敬和に自分で望んで入学、入寮をしました。入寮することに対し、不安はありましたが、「やってみなきゃわからない。大丈夫だろう。」という気持ちでした。家に居る時は、お母さんに愚痴を言って、文句を言って、いろいろ吐き出していました。
 入寮して悩むことがいろいろあっても今までのように話す人がいなくて、気が付かないうちに何かがたまってきているような感じになりました。
 初めて親から荷物や手紙が届いた時、何か温かみを感じ改めて「親」という“大きさ”“温かさ”“大切さ”を感じました。
 そう思っても、やっぱり電話でムカついたりするので、寮に入って「親が大切だ」と感じたことを胸において、過ごしていきたいです。
 親に悩みを話せなくても、“自分で考え”“自分で解決していく力”を寮生活の中でつけていきたいです。

 

 

「長所と短所~よく笑うこと~」  1年 S.Y
 私の長所でもあり、短所でもある“よく笑うこと”についてお話をしたいと思います。
 私には“笑いのつぼ”が人より浅く、ちょっとしたことでもすぐに笑ってしまいます。人が「おもしろくない」と感じたことで、私一人で大笑いしたり、人の顔を見るだけで笑ってしまうこともあります。友愛館での食事の時に大笑いをしている人がいたら、その人は私かもしれません。
 笑うことについて「長所」だと思うところは、私が笑うと他の人も笑いまわりの雰囲気が明るくなるところです。
 「短所」だと思うところは、人を不愉快な気持ちにさせてしまうことがあるところです。最近この「短所」の部分が少し目立ってきているので、気をつけてすごしていきたいです。
 みんながたくさん笑ってすごせることが私の願いです。

 

 

「直していきたい3つのこと」  1年 S.C
 自分で直したいと思っている弱点が3つあります。
 1つ目は、“忘すれっぽいところ”です。一緒に生活をしていて、すでに気付いている方も多いと思いますが、私は忘れてしまうことが多いです。今では、かなり減りましたが、特に小学校の頃は忘れ物をたくさんして先生や親に毎日怒られていました。
 2つ目は“人の意見に流されやすいところ”です。自分の考えは持っているのですが、なかなか言い出せずに人の意見に合わせてしまうところがあります。そのことで後悔してしまうこともあります。
 3つ目は“無理をしてしまうところ”です。悩みがあってもなかなか言えず、過去にいじめられていた時もなかなか親に言えず1年かかったこともありました。限界が分からない自分がいて、嫌なことがあっても表情にも出さずに普通にすごしてしまうので気付いてもらえないことがあり、本当はとてもショックです。
 敬和生活の3年間の中で少しずつ焦らないでがんばっていきたいです。

 

 

「変えることができるチャンス」  1年 T.A
 私は、小学校の時は地味で静かで人と関わらず、唯一の友だちは“本”でした。小説を読むことが好きでした。きっと私が静かだったって想像できない方も多いと思います。
 どうして私が明るくなったかと言うと、ひとりの友だちがきっかけでした。保育園からずっと私に声をかけてくれていました。
 中学に入学しその子のおかげで地味な私を卒業できて元気に過ごせて1年経った頃でした。信頼していたその子に裏切られました。私の過去の姿も学年中に広められました。毎日学校へも行きたくなく、泣いて辛かったです。でも部活を絶対に休みたくなく、自分が辛い思いをしていることも誰にも話せずに一人で悩んでいました。
 進路は地元を離れたいと思っていました。そんな時に出会ったのが敬和学園でした。姉が通っていたことありましたが、敬和学園は自分探しの学校であると知り、今の自分を変えることができるチャンスだと思いました。“行きたい”“行きたい”と言っていましたが、友人関係を築けるか、正直不安でいっぱいでした。
 寮に入ってすぐに、家に帰りたいと思いました。きっと自分の気持ちを分かってくれる人はいないとひとりで考え込んでいましたが、みんなとも仲良くなれて、相談して、相談され、信頼できる毎日を過ごすことができ毎日楽しいと思えるようになりました。このつながりを大切に一緒に辛い事を乗り越えてすごしていきたいです。

 

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 誕生日って
 誕生日って嬉しいものです。のぞみ寮では、毎週日曜日の全体礼拝でその週の誕生者の祝福があります。めぐみ館にも必ず毎月、誕生者がいます。7月は5名です。私は、新年度の始まりということもあり、まだみんなと仲良くなりきれてない4月が誕生月であることを、子どもの頃からなんとなく残念に思っていました。今年は、のぞみ寮に着任して間もない頃に迎えた誕生日でしたが、いつもと違いました。似顔絵を描いてきてくれたり、寮でも学校でも声をかけてくれたり。夕食を食べている私の前にきて「Happy Birthday♪」を一人で歌ってくれた子もいました。また、つい先日、誕生日を目前に控えた同室のメンバーのために、サプライズでケーキを作る!と何やらコソコソ怪しい動きをしている人たちがいました。毎年必ずやってくるため、当たり前のことと思ってしまいがちですが、誕生日は誰でも無条件に祝福される、特別な日であることを改めて実感しました。(村田)



2016年7月6日水曜日

みぎわ館通信 2016年7月3日 第244号

新しい部屋で新しい出会いを
 気が付けば7月に入り、生徒たちは第2定期テストへ向けて取り組み始めています。テストが終われば、待ちに待った夏休みまでのカウントダウンが始まります。楽しい夏休みを迎えるためにも、定期テスト、頑張りましょうね!!
 さて、6月22日(水)、今年度最初の部屋替えが行われました。新しい部屋割り表が貼りだされると、一目散に駆け寄ってきたみぎわっ子たち。新しい部屋のメンバーが分かると、「よろしくね!」と、声を掛け合っていました。部屋替えは年に3回あります。その都度、新しい部屋のメンバーとの生活が始まります。今回の部屋替えから3年生は、自分の進路実現に向けてしっかり取り組んでいけるように、3年生だけの部屋になりました。2年生は1・2年生部屋のリードを任される立場になりました。1年生は最初の部屋替え。2年生の背中を見ながら、もっともっと成長していって欲しいと思います。
 部屋が一緒になれば、相手との距離はぐっと近くなります。近くなることで、互いに今まで気付かなかった所がたくさん見えてくるでしょう。それは、相手の素敵な所かもしれないし、もしかすると苦手だと思う所かもしれません。自分と違う価値観に戸惑ってしまうかもしれません。でもそれは、相手のことをもっとよく知れるチャンスです。色々な考え方に出会えるチャンスだと思います。今まで自分の中には無かった考え方や価値観にたくさん出会って欲しいと思います。その出会いが、きっと新しい自分へと成長させてくれるはずです。(小林)




部屋替えしても……大好き!

 部屋替えをして数日経ったある日の消灯後、点呼をしに各部屋を回っていました。
 3年生の生徒の部屋に点呼に行くと、黙々と机に向かって勉強中……。「いよいよ3年生部屋になったね~!勉強に集中できるね!」と声をかけると、「そうですね!でも、1年生の〇〇が、私のところに、〇〇さ~ん!って遊びに来ます!(笑)」と答えました。その表情はとっても嬉しそう。にこにこしながら話してくれたのです。遊びに来る1年生とは、この間まで同室だった部屋の子。1年生が3年生の彼女のことを、大好きで大好きで仕方が無いという気持ちがとっても伝わってきました。また、3年生の彼女も1年生のことが本当に可愛かったんだなあという気持ちがたくさん伝わってきました。先輩後輩が、こんなに仲良く生活していたんだということを実感できた瞬間でした。
 部屋替えをしても、「〇〇さん元気かな?」と思う後輩、「〇〇は仕事、ちゃんと出来てるかな?」と気遣う先輩の姿が至る所で見られます。こんな素敵な関係が築けるみぎわ館って本当にいいなと思いました。この関係が、あったかいみぎわ館を築いていくのだと思いました。(小林)



部屋替え前の最後の夕食☆
 部屋替えが行われるその日の夕食は、部屋ごとに集まって食べる習慣があります。いつもは学年ごとに集まって食事をしていますが、この日は特別!みんな部屋の仲間と楽しくおしゃべりをしながら夕食を楽しんでいました。

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礼拝のお話
~礼拝のお話から学ぶこと~   S.N(2年)
 
今、私がしているこの礼拝のお話、皆さんはどう思いますか?
 私は、礼拝のお話が嫌いでした。私が礼拝のお話に抱いていた思いは、「考えるのも、聞くのも面倒。文章力が無いから嫌だ。そもそも人の前で何かをするのは嫌いだから進んではやらない」といった感じでした。そんな事を思いながら、毎日毎日礼拝を過ごしていました。
 でも、最近気付いたことがありました。礼拝のお話について、私の内で新たなる想いが生れたのです。嫌でもその場にいる以上、少しはお話が耳に入ってきて、その人が話している内容と今の自分の状況が一緒で、少し興味を持って最後まで聞いてしまい、「なるほど、そうすればいいのか。」と、お話によっては解決策が導き出せたのです。それによって、私は救われることもありました。
 お話は面倒ですが、することによって誰かを救ったり誰かに救われたり、笑わせたり笑ったり、悩みを軽くしたり学んだりすることが出来るのです。興味の無い話でもぼんやり聞き、少しでも頭の中に残っていると、もしかしたら自分の人生で役に立つかもしれません。



2016年7月5日火曜日

のぞみ通信 2016年6月29日 第220号

寮生リレー(129回)

 今月号は、フェスティバルで中心的な働きを担ってくれた各館の寮生に原稿を依頼しました。

 

 

全力投球、悔いはなし

合唱チーフ:M.Y(めぐみ館3年 兵庫県姫路市)

 私は大雪連合の合唱チーフをしました。声楽部に入っているので、120人という大人数をまとめるのは初めてでしたが、根拠のない自信がありました。音楽のことも少しは分かるし、大丈夫だろうと思っていました。今考えると、何て浅はかだったのでしょう。
 そんな私はただぼんやりと、練習を進めていきました。音とりの時点では、順調でした。音とりを始めたのも早かったですし、何より言葉で説明する必要がなかったからです。しかし、合わせになると状況の雲行きがだんだん怪しくなっていきました。音とりがいい加減な部分があったのか、不安定になり、音の縦が合わなくなるという一つ目の壁にぶちあたりました。
 そして、大人数のやる気をそがずにどうやって伝えるか、言いたい事がまとまらないのに発言してしまい、皆を困らせてしまうこともしばしばありました。二つ目の壁でした。
 そんな時助けてくれたのが、声楽部の友達や総合チーフさんでした。私が伝え方で行き詰ってしまうと、必ず私が考えていることを代わりにわかりやすく伝えてくれたり、男子がうるさくて私の指示が通らないときは大きい声を張ってくれたり……本当にたくさん支えてくれました。
 そして、私はこの経験から、わかりやすい伝え方を思案しました。ある友達が「擬音語でも伝わればいいんだよ!」とアドバイスをくれました。その言葉は私の胸に突き刺さり、早速実践してみました。無理やり自分の苦手な言葉で伝えるより、体と声で表現する方が私には向いていると思ったのです。私の体を大きく使った表現や、実際に歌って見せることで、連合のみんなも興味を持ってくれるようになっていきました。
 順位はいまいち振るいませんでしたが、自分にできることを全力投球したので悔いはありません。
 このように、かなりもがき苦しんだ結果、他人を頼ることの大切さを強く実感しました。今までは、プライドが許さなかったのですが、フェスティバルではそんなものは吹き飛んでしまったかのようになくなり、たくさんの人に支えてもらいました。
 自分一人ではうまくいかないことも、他の人の知識を総動員すれば必ずうまくいきます。ネガティブに考えるのではなく、「自分にできることと、他人にできることは違う!」と割り切って、今自分にできることを精いっぱいやろうと、思考の切り替えを早くすることができました。
 完璧人間なんか絶対いません。自分にできることは何かを考え見つけだし、それを最後まで全うする。私はこの思い出深いフェスティバルで人の前に立つ難しさ、人を動かすときの判断の的確さをたくさん吸収することができました。
 これからも部活などで人をやる気にさせることが重要になってくると思いますが、その中でどう自分らしくいられるか考え、実行していきたいと思います。

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儚くも美しいパネル

パネルチーフ:Y.Y(大望館3年 長野県小諸市)

 パネルというのは“連合の姿”を魅力的に映し出し、そしてたった一日しか姿を見せない儚いものです。最後のフェスティバルはパネルチーフを務めました。パネルが設置されるまで、様々な人が協力してくれました。そして素晴らしい結果を残すことができたのも、多くの支えがあったからです。僕は人をまとめるのが下手ですし、テキトーなチーフだったので1,2年生やクラスの人達を困らせてしまったかもしれません。それでも携わってくれた皆は仕事をこなしてくれ、本当に感謝しています。
 フェスティバルは一瞬にして終わりました。もう二度と戻れない。しかし大事なのは、フェスティバルを成し遂げたという事実と、それまでのプロセスだと思います。きっとそれが、今後の糧になるのでしょう。
 美術教師の指摘に反抗して怒られたあの日。桑田佳祐を聴きながら一人で作業したあの暑い休日。時間を見つけてクラスメイトが来てくれたあの時。後輩の女の子からお菓子をもらったこと。パネルが設置された時の感動。そして、賞状を手にしたあの瞬間。どの出来事も、形はどうであれ今後の僕に何かヒントを与えてくれるはずです。多くの人の協力で成り立つあの赤いパネルは、儚くも美しいものでした。

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競技を通して心を一つに
競技チーフ:S.R(大望館3年 神奈川県足柄上郡)

 選抜リレーでゴールしたとき、言葉では表現しきれない感動につつまれました。その時、富士連合のスタンドは盛り上がり、気がつけば連合のみんながアンカーを胴上げしていた。
 私はこのフェスティバルで競技チーフになりました。主な仕事は競技決め、順番決め、競技の進行の手伝いです。力をいれた競技は選抜リレーでした。
 私は1つ大きな決断をしました。一番プレッシャーのかかるアンカーを後輩に託したのです。最も信頼している後輩の一人である彼はアンカーを引き受けてくれました。ですが気持ちの中ではアンカーは荷が重い、などと不安が募っていました。でも彼を信じることにしました。
 ついに最後の競技選抜リレーがやって来ました。メンバーで円陣を組み、競技に挑みました。アンカーにバトンが渡るときは1位でした。そのままゴールしました。私は目に涙を浮かべながら彼と選抜リレーのメンバーにありがとうと言いました。感謝の気持ちでいっぱいでした。
 自分が出てない競技でも自分のことのように喜び胴上げしている姿を見て、最初はバラバラだった連合が競技を通して1つになれたのを実感した瞬間でした。9競技中6個1位で競技部門1位を獲得しました。女子の競技チーフに、多くの人に、チーム富士連合に支えられてると改めて感じました。

 

 

 

 

代えがたい経験
衣装チーフ:K.K(光風館3年 新潟市)

 私は今回、六甲連合の衣装チーフを務めました。しかし、私の中では最初で最後の衣装チーフを完璧に出来たとは、全く思えません。なぜ完璧に出来なかったと言うと、私は最初、衣装チーフになるつもりはありませんでした。
 クラスには衣装チーフの才能をもった二人の女子がいたし、私は服を作ったり裁縫をしたりするのは得意ですが、服のデザインを考えるのはしたことがありませんでした。なので、その女子二人が衣装チーフになるんだろうなと思っていました、しかし、片方の女子が衣装チーフをやらない事になってしまい、「じゃあ私もやってみようかな」と思い、立候補しました。しかし、私はその時、衣装チーフの大変さを少し甘くみていました。そして、フェスティバル準備期間に突入して、まず大変だったのが総合チーフの衣装デザイン決めでした。
 六甲はテーマが少し曖昧に決まってしまい、テーマにあった衣装を考えるのがとても大変でした。服の本を読んで考えましたが、デザインを考えたことがない私は、殆ど女子衣装チーフに任せてしまい、とっても迷惑をかけてしまいました。しかし、女子衣装チーフはとっても衣装の才能がある人でカッコイイ総合チーフの衣装を考えてくれました。
 衣装を作成し始めて、最初はどうみんなをまとめていいのか分からず、私はほぼ1人で作業していました。そんな中、女子衣装チーフがみんなをまとめてくれて、私も少しずつチーフの仕事に慣れてきました。それでも私はフェスティバル期間中は毎日お昼も食べずに作業していました。それでも衣装が完成したのはフェスティバル前日の夜でした。私は自分の無力さを感じました。それに衣装の結果はあまりよろしいものではなく、とっても残念でした。
 しかし、今回の最後のフェスティバルはとっても楽しかったし、この経験は何物にも代えがたいもので、これからの自分の人生の糧になると信じています。

 

 

 

<想い出のひとコマ>

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周りの人たちの優しさに心打たれたフェスティバル

総合チーフ:T.S(みぎわ館3年 栃木県益子町)

 校長先生は行事の際に、「敬和は行事が多いのではなく、行事にかける時間が長いのだ。」とよく話す。その時間が最も長いのが敬和最大の行事「フェスティバル」だと思う。
 フェスティバルは、私が敬和に入学する動機の一つであった。オープンスクールで見たチーフの方々は頼もしく、格好良く見え、まだ中学生だった私の憧れとなった。それから3年が経過した今年、私は念願の総合チーフを務めることになった。その喜びはとても大きく、フェスティバルへの大きな期待を抱いていた。
 しかし、準備が始まるにつれて、その感情は不安に掻き消されていった。自分が思い描いていたように事が進むことは殆ど無く、私は自信を失った。だが、そんな弱音を吐く暇も、悩む暇さえも無く、ただ必死に毎日を過ごしていた。
 そんな長い準備期間を終え、やっとの思いで当日を迎えた。不安と緊張ばかりだったが、どの発表も楽しかった。勿論、全てが満足のいくものではなかったが、努力の成果を発揮することが出来たと思う。そして、周囲の人々の優しさに心打たれ、多くの人々の「楽しかった。」という言葉に大きな喜びを感じた。
 毎年、校長先生はこうも言う。「敬和は想い出づくりのために行事をしているのではない。学びの一環としているのだ。」と。私は今回のフェスティバルで多くのことを得、大きく成長した。敬和に来て、これまで頑張って本当に良かったと思う。そして、こう思えたことに感謝し、これからに活かそうと思う。

 

 

 

小さな気遣いができる自分に

フェスティバル本部:O.N(みぎわ2年 新潟市)

 私はリーダーに立候補したり委員会に自ら入ったりするほど、積極性がある人ではありませんでした。そんな私が、フェスティバル本部に入ろうと思ったきっかけは、1年生のフェスティバルで、連合にテキパキと指示を出したり準備期間中にクラスをまわって「明日も頑張ろう!」と声をかけたりしていた本部の方々の姿を見たからです。「かっこいいなあ。ああなりたい!」と思いました。
 しかし、思っただけでは本部に入る勇気はなく、仕事を上手くこなす自信もないし、指示を出したり人前に立ったりするのは苦手。「こんな私にできるのか。」と不安でずっと悩んでいました。そんな時、去年の本部長をやっていた先輩に、「本部に入るか悩んでいるんでしょ?大変だけどとてもやり甲斐があるし、楽しいから絶対に入ったらいいよ。」と背中を押され、本部に入ることを決意しました。
 本部に入って最初は、渡されたフェスティバルの規約も説明される各部門のことも全て難しく、「私には無理だ。どうして入ってしまったんだろう。」と弱気になり、入ったことを後悔してしまいました。しかし、日が経つに連れて忙しく、厳しいこともたくさんありましたが、少しずつ本部がとても楽しく感じ、充実してきました。それは、仕事にやり甲斐を感じ、何より本部の先輩方が「いつもありがとう。」と声をかけて下さったからだと思います。
 本部をやることで私の中でいくつか変わったことがあります。それは小さな気遣いができるようになったことです。出しっぱなしのペンを片付けたり、机の上のファイルや書類を整えたり、いつでも綺麗にみんなが使いやすいようにと心掛けることを学びました。それは寮でも同じで、今まで「面倒臭い、誰かがやってくれる」と見て見ぬふりをしていたことも、進んでやるようになりました。
 本部の活動を通して、私は大きく成長出来ました。「やってよかった。」と、心の底から思います。そして、常に支えて下さった先生方や先輩、友達に感謝しています。ありがとうございました。

 

 

 

《のぞみ寮物産展へのたくさんの献品、御礼申し上げます!》

 6月11日、フェスティバル2日目に行われた『のぞみ寮物産展』は、皆様の御協力のおかげで大盛況のうちに終えることができました。ありがとうございました。
0629_no12 今年は沖縄のソーキそばから北海道と言えば!の銘菓まで、そして寮生の保護者の方が心を込めて作られたお米や野菜までが並びました。すべてを紹介したいほど、本当に全国各地からたくさんのバラエティに富んだ名物品が届けられ、値付け・陳列の段階から私たち寮務教師が楽しませて頂いたほどでした。来場下さった方々に喜んで頂けたのは、言うまでもありません。
 そして保護者の方々の想いも商品と一緒に届けて頂いたように感じます。日々祈られ、支えられながらのぞみ寮教育をさせて頂けていることを、改めて痛感しました。感謝です。

 今年度の『のぞみ寮物産展』の売り上げは29万5千円でした。この売り上げは、“敬和学園50周年記念事業”のために学校に献金させて頂きます。重ねて、感謝申し上げます。ありがとうございました!

 

 

 

【編集後記】

 フェスティバルでは、チーフの役割を担ったのぞみ寮3年生が多くいました。本番を迎えるまでの日々は、悩み、壁にぶつかりながら葛藤しながら取り組んでいる姿を多く見ました。
 先輩の背中が伝えてくれるもの。真剣に取り組む姿は、1,2年生へもしっかりと受け継がれていると感じます。「来年は○○チーフ!」「ダンスにチャレンジする」等、来年のフェスティバルに向けての意欲も聞かれます。頼もしいです。3年生はフェスティバルを終えて、心地よい疲労感を癒しながら静かな時の流れの中、進路に向けて次のステップに歩みを進めています。

 部屋替えを終えました。新しい部屋での生活の中で、新しい出会いに感謝して成長できるように願っています。
 夏休みまでひと月。第2定期テストに向けてテスト勉強への意欲を見せる寮生の姿が目立ってきました。
 フェスティバルでは、たくさんの保護者の皆様と交わりの時を持てました事を感謝いたします。また、のぞみ寮物産展へ心のこもった献品頂きありがとうございました。

めぐみ館担任 小菅 真子