2016年5月9日月曜日

みぎわ館通信 2016年5月8日 第238号

☆寮祭 ~二部編~☆

 いよいよやって参りました、寮祭の第二部。2年生プロデュースによる1年生主演の劇です。この時のために2年生達は春休み前から準備を始め、1・2年生の合同練習は4月17日からスタートしました。台本の読み合わせから始まり、セリフを憶え、演技を身体に叩き込み、ダンスを習得し……練習日数は実質7日間ほど。みぎわ劇団の監督たちも女優達も、本当によくやったと思います。
 あらすじはこうです。みぎわ館に住むとある家族、お父さん・お母さんと14つ子。空腹で倒れたお父さんとお母さんのために14つ子が力を合わせて山奥にある友愛館へ3日かけて食事を取りに行きます。その食事もただ置いてある物を持ってくるだけではありません。個性あふれる14つ子がしっかり力を合わせなければ手に入れることは出来ないのです。その14つ子の個性とは、忍者がいたり、セーラー○ーンがいたり、ドラ○モンがいたり、バカ○ンのパパがいたり、スパイ○―マンがいたりと、見た目も性格も持ってる力も本当に様々。その14つ子が協力して手に入れた食事、やっとの思いで門限ぎりぎりにみぎわ館に持って帰ってきたら、そこにはのんびり食事を楽しむ父と母が……。「あれっ!?」と戸惑う子どもたちに母は言いました。「あれは嘘。あなた達に協力することを経験してほしくて……」と。父と母がもくろんだ通り、子どもたちは協力することを、そして力を合わせて成し遂げることを経験を通して学んでいたのでした。めでたし、めでたし……(笑)。
 とまぁ、あらすじはこんな感じなのですが、その演技の面白い事!私はビデオ撮影していたのですが、それでも吹き出すのを抑えられずに、大笑いしてしまいました。吉本新喜劇でも見ているかのような気分です。その間の取り方や、ツッコミ、シラ~とした顔など、まぁ、もう、本当にみんな大女優!練習当初に「寮祭出たくない……」と涙していたのがウソのよう。自ら進んでより面白くしてくれているのではないかと思えたくらいです。
 きっと練習に取り掛かった時は声を出すことも怖かったのではないかと思います。こんな劇を本当にするのか!?と不安になったのではないかと思います。こんなバカなこと出来ない!なんて思った人もいたことでしょう(笑)。でもそこは2年生の腕の見せ所!自分たちがきっともっとバカになって見せて、自分たちが1年生の演技に一番ウケて見せて、少しずつ少しずつ1年生の緊張をほぐしていってくれたのだと思います。それは、2年生達も去年今の1年生と同様の気持ちになり、先輩達に支えてもらったことなのでしょう。受け止めてもらい、理解してもらい、共感してもらい、そして支え・助けてもらって乗り越え、達成した経験が今の2年生にあるから、自分たちが受けたもの以上の支えを今の1年生に与えてくれているのでしょう。温かい人たちが集まっているなぁとつくづく思います。そしてそんな先輩達の支えと愛情をたっぷりもらって、1年生達は堂々と演じ切りました。きっと、新しい自分の一面と出会ったことでしょう。きっと仲間の新しい一面に出会ったことでしょう。それでまた一つ、大きく成長したのではないでしょうか。寮祭で得たものがこれからの敬和生活のエネルギーとなることを願っています。みんな、本当にお疲れ様でした!(森口)

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☆寮祭 ~三部編~☆

 寮祭の締めくくりは礼拝です。三部は礼拝委員がテーマの決定からお話の講師、献金先、賛美歌や合唱曲まで心を込めて考え準備をしてくれました。今年は初めて各館で献金も集め、より積極的な礼拝となったように思います。
 礼拝のテーマは「顔を上げて 心を広げて」です。「つらい時、悲しい時がある。そんな時、顔を伏せていちゃ めちゃくちゃになった自分の心しか見えない。顔を上げて そこには友がいる。のぞみ寮生はキミを孤独になんてしない。心を広げて そこに希望がある。敬和の恵みはちっぽけな心に収まりきらない。世界の広がりは僕たち一人では見えないけれど、手を取り合うことで感じられる。この寮祭を通して、互いに手を取り、共に歌おう。そんなのぞみ寮であることを願います。」と、テーマについて礼拝委員が述べています。素敵なテーマ、素敵な想いです。そして、本当にそうであってほしいと私も願います。
 礼拝のお話の講師は、3年前まで寮務教師だった冨井愛先生でした。冨井先生は3年前から2年間青年海外協力隊員としてモンゴルへ派遣され、音楽教師として活動されていました。そのモンゴルでの生活や気付いたこと、考えさせられたことなどとっても興味深く聞かせてくださいました。お話のタイトルは「何もないけど 何でもある」。モンゴルは日本と比べてない物ばかり。ない、ないと思っていたけれど、草原があり、素晴らしい星空があり、人のあたたかさがあった。何でもあった、と。モンゴルで知った何もないけど何でもあるは、ここのぞみ寮にも通じるところがあるように思う。それに気づいている寮生もたくさんいることに寮祭を見ていて感じさせられた、と話してくださいました。
 確かに、のぞみ寮からコンビに行くには30分、毎日のタイムスケジュールが決まっていますし、テレビやPCも共同です。お風呂もトイレも共同。部屋も3人で一つです。自由にならないことだらけかもしれません。でも、ここには仲間がいます。いつもあなたのことを心に留め、祈ってくれる仲間がいます。辛いも嬉しいも共感し合える仲間がいます。励まし合って乗り越え合える仲間がいます。不便で不自由なのぞみ寮かもしれませんが、他でも手に入らない素晴らしいものがここにはたくさんあります。そのことに改めて心を寄せ、暮らす場であるのぞみ寮や仲間や自分を振り返る大切な時間を与えられました。ありがとうございました。
 一生懸命に準備してきた寮祭が終わりました。寮祭への取り組みがそれぞれにとって大きな力となりますように祈っています。2016年度も2ヶ月目に突入です。共に歩んでいきましょう!(森口)

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