2016年4月26日火曜日

みぎわ館通信 2016年4月24日 第235号

ある朝の一コマ

 私にとって、みぎわっ子の毎日の生活の中には感激や感動の瞬間が山盛りです。彼女たちにとっては何気ない瞬間なのかもしれませんが、私にとっては目頭が熱くなるような一コマであることが多々あります。ある朝の登校時、この時も突然起こった出来事に私の心は揺さぶられ、とっても幸せな気持ちを味合わせてもらいました。

 その日は全員で桜の木の下で写真を撮ろうと、登校前のわずかな時間にみぎわっ子全員が玄関先に集結していた時に起きました。すでに写真も撮り終わり、和やかな雰囲気の中、一人のみぎわっ子がみんなに大きな声を掛けました。「今日はAちゃんのお誕生日だよ!」その瞬間、みぎわ館前で歓声が起こり、「♪ハッピバ~スデ~トゥ~ユ~♪、♪ハッピバ~スデ~トゥユ~♪……」と大合唱。お誕生日を迎えた本人は嬉しそうに満面の笑顔で手拍子。歌が終わると、みぎわっ子全員から大きな拍手と「おめでとう!」の言葉の嵐が……。「ありがとう~!」とみんなに応える彼女の声にも顔にも幸せが溢れているように見えました。そして祝ってくれたみんなの顔にも、同じように幸せが溢れているように見えました。

 みぎわっ子全員が登校前に集合するなんて、1年にこの日だけ。桜の木の下で写真を撮る日だけなのではないかと思います。そのレアな日に誕生日を迎える仲間のことを覚えて、サプライズで祝うチャンスにしてくれちゃうなんて、なんて粋!いつも仲間の事を心に留め、互いに支え合って共感しあって生活しているからこその温かい贈り物なのだと思います。

 またこのAちゃん、その前夜には「なんだかいろいろうまくいかないんだよね……」と曇った顔で話をしに来ていました。何だかうまくいかないことがあったとしても、こうしていつも寄り添い、覚えていてくれる仲間がいることを改めて実感し、それが力になった瞬間だったのではないかと思います。その証拠にAちゃんの顔はその後から晴れ晴れ。一部始終を見せてもらっていた私もより一層心満たされ、より一層元気いっぱいにさせてもらいました。あ~、本当に、みんなステキ!こんな素敵な仲間に囲まれた3年間という限りある寮生活で、大いに心震わされ、大きく成長していってくれることをいつも祈っています!(森口)

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初ミーティング!

 「先生、ミーティングしたいんですけど!」と勢いのある相談が小林先生の下に持ち込まれました。入寮してから2週間以上が経った1年生たち。いろいろ思うこと、感じることがあり、その思いを共有し合いたいのだそうです。しかし、その提案があったのは木曜日。金曜日と土曜日の夜はフリーと呼ばれる自由な時間です。(平日は自習時間がありますから、タイムスケジュールを気にすることなく気ままにのんびりできるのは週末の喜びでもあります。)フリーの時間を削ってミーティングする?それとも日曜日まで待って、自習時間にミーティングする?と提案し返すと、「じゃぁ、金曜日の夜に!」とのこと。それぞれの気持ちが熱いうちにやっておきたいのだそうです。なんとまぁ、情熱的な1年生……。その気持ちに私たちも「じゃぁ、金曜日の夜8時から。」とみぎわ館事務室を提供することにしました。
0424_mi04 入寮してからたくさんのカルチャーショックを受け続けてきた1年生たち。これまでは自分の文化しか知らなかったのに、みぎわ館での生活だけでも43個の文化が出会います。違って当たり前。違うのが普通です。寮生活のスタートはその違いと出会い、受け入れるところから始まります。時に「いい!」と自分以外の文化に感化されることがあれば、「え!?」と険しい顔で遠巻きに見てしまう時もあります。でもそれは自分の視点でだけで物事を見ているから起こることです。なぜそうなのか、相手と言葉を交わし、相手を知ることで「なるほど!」と思えるものに変化していきます。寮生活のステキなところの一つに、険しい顔して「え!?」と思ったことをほっておけないということがあります。だって、3年間を一つ屋根の下で共に暮らすのです。一度放置したとしても、また必ず出会います。放置し続けることなどできません。ですからやはり、互いに知り合い、互いに受け入れて行くことを選ばざるを得ません。互いに理解し合い、受け入れあうことで、双方の人間的幅が大きく広がります。考え方・行動の幅が広がります。心の在りようが豊かになります。いいことづくしです。
 ここで生活を初めてまだまだ日の浅い1年生たちも、すでにそれを感じてくれているようです。このミーティングでは、これまでに感じた違和感や、嬉しかったこと、もっとこうしたらうまくいくよね……なんていう提案や、中学までの自分の背負ってきた苦しみ、ここで仲間や自分とたっぷり出会っていきたいからよろしく!なんていう事まで、本当に様々なことが語り合われました。仲間と共に暮らし、想いを伝えあい、心を寄せ合い、素晴らしい仲間づくりをしていってほしいと思います。期待しています!(森口)

 

 

 

礼拝のお話  

☆「みぎわ館はステキです!」 M.A(2年)☆

 寮はとても楽しいところです。一緒に暮らす仲間は家族のような存在です。今は緊張している1年生もきっとすぐに慣れていきます。私もそうでした。実は私が1年生の時のみぎわ館と今のみぎわ館とでは少し違うことがあります。それは先輩たちが、帰ってきたくなる寮にしたい、家族みたいな家みたいなアットホームなみぎわ館にしたいと、考え動いてくださっていることです。ルールに縛られず、心からのコミュニケーションを大切に家みたいなみぎわ館を一緒に作っていきましょう。きっと卒業するころには外見だけでなく、内面がすごく成長するはずです。私は1年間の寮生活が終わったところです。この1年でたくさんの嬉しいこと・楽しいこと・辛いこと・病んだことがありました。しかし、自分の中でも中学までの自分よりずっと今の自分のほうが成長していると自覚しています。
 そして、寮では何をするのも一人ではありません。みぎわ館には優しい人がたくさんいます。元気がない時には声を掛けてくれる人が必ずいます。これは本当に嬉しいことです。そして支えてもらった経験が、今度は逆に、私を声がかけられる人にしてくれます。こんな循環が私たちを素敵にしていくんだと思います。みぎわ館を素敵にしていくんだと思います。こんなみぎわ館が私は大好きです。
 1年生の皆さんはここでの生活がまだ寂しかったり、大変だったりするかもしれませんが、私たちが一生懸命支えます。安心して寮生活を楽しんでください!困ったときは助け合い、一緒に楽しい時間を過ごし、難しいことも乗り越え、共に生活していきましょう!