2016年3月25日金曜日

めぐみ館通信 2016年3月22日 第50号

心からのエール

 桜も咲き始め、新しい春が訪れようとしています。めぐみ館46回生16人が敬和を卒業し、それぞれの道へと旅立ちました。年度最後の定期試験も終え、めぐみ館を担っていく47・48回生のみんなも、新しい出会いに向けてミーティングを重ねてくれています。新入生に向けて心を込めて手紙を書いてくれたり、「3年生になったら、最高学年でしょ?めっちゃ頑張る!楽しむ!」と力強く語ってくれたりと、頼もしい限りです。

 さて、私ことですが、3月末をもちまして一身上の都合により3年間勤めました敬和学園高校を退職することとなりました。のぞみ寮通信にてご挨拶をさせていただいていますが、これまで本当に沢山の支えとご指導をいただきました。私にとって保護者の皆様、教職員の皆様、のぞみ寮の一人ひとり無くして、ここでの日々はあり得ませんでした。たくさんの心配とご迷惑をかけてしまっていた事を思います。しかしながら、一人一人との関係を決して諦めず、愛を持って共に成長することを大切にしながら、これまでの関わりをさせていただきました。

 めぐみのみんな。住む場所が離れても、共に過ごしたあなたたちのこれからをどこからでも応援しています。あなたたちなら大丈夫。自信を持ってめいっぱい歩んでいってください!(会田)

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0322_me08~会田先生ありがとうございました。~お幸せに~

 会田先生の退職を知り、かなしみいっぱいのめぐみっ子でした。会田先生との“サプライズお別れパーティー”の準備をひそかに計画しました。“サプライズ”は大成功!!会田先生と過ごした時間は、大切な心の宝物となっていることを一人一人から伝わってきました。
 会田先生ありがとう!そして“お幸せに”(小菅)

 

 

 

 

 

 

これからに向けて
 2015年度も残り少なくなり、4月からの新学年に向けての準備が進められています。めぐみ館では今のところ、新入生(49回生)14名を迎えスタートする予定です。不安な気持ちをそれぞれに抱えながらも、かわいい後輩を迎える心の準備が、彼女たちの表情、態度から日々力強く感じるようになっています。
0322_me06 新入生には、主に新2年生がマナー、ルール等を伝えることが伝統になっています。4月から先輩になる1年生へ、現2年生から、新1年生を迎えるにあたってのアドバイスを伝えるミーティングがありました。思っている事、感じている事、直してほしい事、伝えることは簡単です。でも相手を理解し、心に届くように思いを込めて「伝える」という事は、とてもエネルギーが必要なこと。2年生の言葉には、とても温かさを感じるものがありました。
 「先輩になる自信はないけれど、楽しく、帰って来たいめぐみ館になるようにしたい」「誰かと一緒じゃないと言えない、できないという固定概念をなくしたい。自分が正しいと思える事をしっかりと行動したい」「後輩は先輩を見てすごす。自分たちの姿をしっかりとしたい。」「2年生47回生のような誰とでもいられる関係性を持ちたい」等々。これからの生活に向けて、1年生も自分の言葉で話していました。
0322_me07 「あなた達は大切な後輩。私たちを頼ってほしい。今日のミーティングで感じた事を考えて、行動に移してほしい。あなた達なら大丈夫。47回生、48回生でめぐみ館をひっぱっていきましょう」と最後に2年生から力強いメッセージが伝えられました。
 この1年でそれぞれに成長を感じる場面に出会いました。寮生活では、不自由さの中に、一人一人の思いやり、気づかいのもと、生活を共にして行くなかで成長をしていきます。それぞれに歩むペースは違います。失敗を恐れずにチャレンジする気持ちを大事に、経験を重ねてほしいと願っています。
 短い春休みですが、心とからだをゆっくりと休めて4月にまた会いましょう。いってらっしゃい。4月の開寮の日に元気に会える事を楽しみにしています。(小菅)

 

 

 

 

 

礼拝のお話

「礼拝の力」                        2年 M.Y

 「神を賛美し、その恵みに感謝すること」これは、国語辞典に載っていた「礼拝」の意味です。礼拝はその日あったことを振り返り、神様から受けた恵みに感謝し、心を安める時間だと私は考えています。少し、礼拝とは何か皆さんと考えたいと思います。

 例えば各館礼拝での「お話」。先輩や同じ学年の人、あるいは後輩のお話に心を動かされた人もいると思います。私は46回生のS.Kさんのお話に心を動かされたことがあります。「自由」についてのお話でした。「自由とは、しっかりと固まった枠組みを作ってしまっても、全く何も枠組みがなくても崩壊してしまう。輪ゴムのようにある程度伸び縮みするルールの中で過ごすことが本当の自由ではないか」とおっしゃっていました。この話により、私は「自由」や「ルール」に対する印象が良い方向に変わりました。人の意見や考えを聞くことは決して悪いことではありません。時には反対意見や不思議に思うこともあります。人それぞれです。私のように考えが少しでも広がったことのある人はどうでしょう。話を聞いてよかったなと思いませんか?礼拝の話には、このように「強い力」があるのです!

 4月になれば49回生を迎えます。48回生は次の一年生を迎えるにあたり、教えることの難しさや後輩との関わり方などに色々苦戦すると思います。そんな中で自分の思いをメッセージにすることはとても大切になってきます。ぜひ、礼拝の場を自分の思いを伝える一つの場所として用いてみてください。もしかしたら、その言葉で誰かの心が動かされるかもしれません。そのような連鎖が続いていけば、後輩や先輩、同学年の人とよりいい関係が築けるはずです。人の言葉には不思議な力があります。どうか皆さんがそれぞれの思いを伝えることが出来て、豊かな人間関係が築けるように祈っています。

 

 

 

 

「出会いから」                        2年 U.A

 1年前の3月から、私の実家に滞在していた留学生との関わりから感じたことです。ドイツから来た17歳の男の子。性格は一言でいうと器用。優しくてお茶目なシャイボーイという感じです。留学生が来てから私の家は変化しました。笑うことが大幅に増えました。これは私の家にとって本当にすごいことです。

 元々の両親と兄の関係性や、それに加え反抗期で不機嫌な私。留学生が来てからも、私をなだめる兄と困っている両親。事態は悪化していく中で、留学生と関わりたくても関われない自分の弱さを憎むこともありました。

 ある休日、テスト前に隣の県に家族と留学生の彼で行くことになったとき、はじめは抵抗を感じましたが、何度も誘う親に嫌気も感じ、不機嫌ながら勉強道具を片手に、ついていきました。みんなで写真を撮ろう!となった時も私は無表情のままでした。そんな時、留学生の彼が、私の肩を組もうとしながら「A、笑って」と言ったのです。この時は、彼が私の家に来て2ヶ月ほどでした。寮にいてほとんど家にいない私に、日本語なんてほとんど分かっていないのに。うまく説明できないけれど、心が軽くなって勇気をもらったように感じました。それからも、彼はそんな言葉をたくさん与えてくれ、それが積み重なっていきました。おそらく私だけではありません。家族もです。私の家は90度くらいになる、いい方向へ雰囲気が変わりました。強く思ったのは、“出会い”というのは変わるチャンスかもしれないということです。

 また、私のとても仲が良い先輩とは、私が1年生の10月頃までは挨拶だけのいたって普通の先輩後輩関係でした。その先輩と同じ部屋になってから意気投合し、部屋で夜まで話すようになっていました。それから部屋が離れても、仲の良さは変わりませんでした。「初めまして」だけが出会いではありません。相手の言葉で何かに出会うかもしれない、自分が言った何気ない一言で出会うかもしれません。

 新しいお部屋、新入生、クラス替えなど、やって来るたくさんの新しい出会いが、お互いにとってよいものとなるといいですね。