2016年2月8日月曜日

めぐみ通信 No.48(2016年1月30日)

冬だけど・・・冬だから!

 新潟にもようやく雪が降り積もり、雪かきが必要な天気がやってきました!そんな中でも寮生達は、「子どもは風の子」と言わんばかりに、各館がかまくらを作ったり、巨大滑り台を作って段ボールで滑り降りたり、わざわざ「雪が降ったから外出してみる」と歩いて片道30分のコンビニに出かけたりしています。「寒くないの~?」と聞くと「寒い~!でも若いから大丈夫!!」といって、食事後、友愛館からめぐみ館への帰り道に、きゃあきゃあと雪合戦をして遊びながら戻る姿はなんとも可愛らしいです。

 また、めぐみ館では今年度からアイスクリームの購買を行っているのですが、今回その売上げで出た利益をみんなに還元しよう!とクリスマス前に小菅先生と考えました。何か一人一人に小さなプレゼントでもいいかもな~とも思いましたが、今回は200円分のアイス代としてみんなに還元することにしました。1個100円と50円のアイスですが、めぐみ館生の唯一の贅沢でもあります。いつも、冷凍庫を前に、「昨日買ったからもう今週は我慢するんだ!」「…何の種類があるか見るだけ見てもいい?」と葛藤しながら、自分で親御さんからもらっている大事なおこずかいを(そして体重も)コントロールしようとしているみんなの姿があります。なので、みんなに、このささやかなプレゼントの発表をすると大喜びしてくれました!約1か月たった今もまだ、プレゼントの200円分を大切にとっている人もいます。

 冬だからこそ、雪遊びをしたり、お風呂上がりにアイスを食べたりするそんな時間が彼女たちのリラックスのひと時になっていればと思います。(会田)

 

新しい年を迎えて

 2016年もよろしくお願いします。めぐみ館生の中には、心配、悩み事を抱えてしんどい気持ちで帰寮してきた子もいます。「お話してもいいですか?」と相談に来る子もいます。話し合いの持ちかたも、相談の内容に応じてそれぞれです。寮務教師と一対一で話すこともあれば、先輩を交えて話をすることもあります。先輩も一方的に話はしません。まずじっくりと聞いてくれ、寄り添ってくれます。「わかるよ!その気持ち・・私もそうだったよ」先輩が同じような気持ちであったことが分かると表情に安堵さが感じられます。寄り添い、話を聞いてもらえたことで、心も少しずつほぐれていきます。

 これから1,2年生は、春からの新しいめぐみ館作りについての話し合いの時間も多くなってきます。学年で、そして1、2年生の間で多くの言葉が交わされて、より良いめぐみ館がみんなの力で築いていけるようにサポートしていきたいと思います。また一人ひとりのサインを見逃さずに言葉を交わすことを大切に関わり、つながりをふかめていきたいです。(小菅)

 

めぐみ館公開ラジオ放送

 夜、みんながくつろいでいると、めぐみ館内におもむろに音楽が流れ始めました。46回生のM.Kさんが3年間にわたり行ってきためぐみ館ラジオです。3年間と言っても、毎年1年に1回この季節に行われるスペシャル企画なのです。次第に観客も増え(笑)、しゃべりも内容も充実してきているのが感じられます。前回はたしか「バレンタインの想い出」をめぐみっ子からエピソードを集めて流してくれていました。

 3回目の今回は、46回生の1人1人の3年間のエピソード総集編や、47・48回生の後輩達とのエピソードを、おなじく46回生のS.Kさんと一緒に面白おかしく話してくれました。約1時間(!)もの間、厳選されたリクエスト曲とともにしゃべり倒した2人。始終めぐみ館のいたるところから、2人の館内ラジオに笑い転げたり、「えーー!!笑」と驚く声が聞こえていました。

 楽しい時間をありがとう。3年間のDJお疲れ様!(会田)

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館内放送を使ってめぐみラジオをする2人と観客のみんな

 

 

 

礼拝のお話

1年  W.Y

「大好きな人への気持ち」

 私は今までの話の中で家族の話しかしていませんが、今日はおばあちゃんの話をしたいと思います。私は小さい頃から、おばあちゃんが大好きでした。幼稚園の頃も家に帰ったらおばあちゃんの家へ、小学校もよくおばあちゃんの家に泊っていたし、中学の頃も家に帰らずおばあちゃんの家にいることが多かったです。私は本当におばあちゃんが大好きで、家にいなくて母に電話越しで怒られることが多かったです。でも、おばちゃんのことが大好きでも、さすがに小さい時の私は直接「だいすき」と伝えることはほとんどありませんでした。おばあちゃんの作ったラーメンも、おばあちゃんの家で飼っている猫も家も全部好きでいつも一緒でした。いつもにこにこしているし、元気だし、家でカラオケもしていたし、たとえ嫌なことがあっても、おばあちゃんがいてくれれば、毎日楽しいと思っていました。“毎日が楽しい”“毎日”がずっと続けばいいなぁと思っていました。

 私がいつも通り学校から帰り、おばあちゃんの家に行こうとしたら、母が困った顔で椅子に座っていました。みんなも元気がなく、お父さんの口からやっと言葉が出てきました。「おばあちゃん、ガンだって……」私は正直なんとも思いませんでした。ガンって何?病気?悪い病気なのかな?くらいしか頭になくて、でもおばあちゃんは学校から帰っても家にはいませんでした。私は静かにおばあちゃんの家の「ロンちゃん」という猫とずっと遊んでいるばかりでした。

 おばあちゃんのお見舞いにはじめて行った時、おばあちゃんはニコニコしていました。“なんだ 元気だ!いつもと変わんない”と思いながら「おばあちゃんいつ戻ってくるの?」と言ったら「もうちょっとで帰るよ。ロンちゃんも元気?」と返ってくる言葉に毎日安心していました。ほぼ毎日おばあちゃんに会いに行きました。おばあちゃんは髪の毛が無くなっていきました。「おばあちゃん、何で帽子かぶっているの?」と笑いながら言っても「おばあちゃん、寒いのよぉー」という言葉がかえってきました。強い薬を飲んで髪の毛がなくなっているとは思ってもいませんでした。

 3週間くらいすぎ、おばあちゃんに会いに行きました。でもおばあちゃんは起き上がらずニコニコしているだけでした。

 ひと月が経ち、母はテーブルに顔を伏せ泣いていました。「おばあちゃんが……」と母の口から出た言葉で全身が固まりました。家族6人そろって病院に行きました。おばあちゃんは目を閉じていて、しゃべってくれませんでした。ニコニコしていませんでした。その時はじめて泣きました。

 父に「手を握ってあげて……」と言われ冷たく、しわしわの手をつなぎました。涙が止まりませんでした。おばあちゃんの作ったラーメンが食べられなくなる。いっぱい食べられなくなる。ではなくて、ただおばあちゃんが大好きだったから泣きました。おばあちゃんが亡くなったひと月後に、猫のロンちゃんも天国へ行ってしまいました。

 私はおばあちゃんに“大好き”という気持ちを伝えられませんでした。私は天国のおばあちゃんに届くようにひと月ごとに手紙を書きました。ひと月の間に家に起こったこと、猫のロンちゃんにも手紙を書いていました。

 この前、母の引き出しを開けたら私の書いた手紙が入っていて、読み返したら思わず笑えました。「こんなの天国に届くかなぁ」という気持ちと、おばあちゃんは天国で読んでくれているという気持ちがありました。でも絶対読んでくれています。恥ずかしいけれどそう信じています。

 皆さんも大好きな人に気持ちを伝えていないのなら、恥ずかしがらずにぜひ気持ちを伝えてみてください。恥ずかしくなんかないです。相手は絶対にニコニコ笑ってくれます。自分を大切に思ってくれる人は必ずいます。