2015年9月24日木曜日

めぐみ通信 No.43(2015年9月21日)

 後期が始まり早くも一ヶ月が経とうとしています。今年の9月は、真夏日が続き暑かった8月から一転、肌寒さを感じる日々が続いています。夏休みという長期休暇が明けたばかりですが、シルバーウィークがあり、それが過ぎれば、修養会、テスト、部屋替え、寮体験と続きます。めぐみ館でも連日体調不良者が目立っていて心配です。みんなの健康が守られて、思う存分目の前の事に取り組めるよう祈っています!(会田)

 

 

 

先輩たちのように・・・

 「私たちも、2年生や3年生の先輩方のような関係性に早くなれたらなって思うんです!」先日、めぐみ館1年生のYさんと話していた時の事です。Yさんは、1年生内での仲良しグループがだいたい決まってしまっていて、グループが違う人同士だと一緒にいてもあまり話さなかったり、未だにお互いの事をあまりよく知らなかったりしていることに、違和感を覚えていました。「先輩たちにはグループとかをあまり感じないんです。例えば、食事の時でもお風呂の時でも、その時偶然一緒になった同学年の方と自然と声掛けあって行動して、相手が誰でもその姿に差がなくて。それってすごく魅力的だなぁって。」と話してくれました。

 私は彼女の言葉を聞いて、1年生がそう感じてくれていることに実は驚いていました。というのも、今の2年生も3年生も、同じようにこの「グループ化」という状態に悩んで、お互いにめぐみ館の仲間として話し合いを重ねてきた今までの姿があったからです。

 「グループ化」というのは、毎年新入生たちの悩みの種となっているようです。今めぐみ館で暮らす1年生は17人、2年生は12人、3年生は16人です。私は、必ずしも全員が全員と同じ距離感を持って同じような関わり方をしなくてはいけないとは思っていません。同じ学年でも17人もいれば、当然、波長の合う人もいれば苦手な人だっているでしょうし、相手によって話す内容も変わりますよね。特に仲のいい相手がいるのも自然だと思います。では「グループ化」の何が彼女たちを悩ませているのでしょうか。

 彼女たちがいう「グループ化」とは、グループでいないと行動できないという意味のほかに、グループの中にだけしか目が行っていなくて、その中の関係性には強く執着するけどもそれ以外には無関心な状態も指しているようです。一緒に住んでいて、毎朝毎晩顔を合わせているのに、その人のことをほとんど知らない。困っている人がすぐ隣に居るのに、気づいていても声をかけない。それはすごく苦しいし悲しいことですよね。

 嬉しいことも、嫌なことも、悲しいことも、面白いことも、きっと一人ひとり違います。同じにならなくても、思いやりながら違いを受け入れていくことは、共に過ごしていく寮生にとって必要なことで、自分自身の成長にも大切なことです。寮に入ったからには、様々な相手とコミュニケーションをとって、たくさんの違いや価値観に触れて自分自身を広げていく。めぐみのみんなは、その大切さを先輩たちの姿から学んでいるんだな~と感じました。

 今回、このYさんの言葉を2年生の子たちに伝えると、「えぇ~!そう見えているのか」「私たちも変わってきているのかな」と驚いていました。先輩であるみんな、あなたたちの葛藤の日々はしっかり実をつけて、後輩たちの憧れとなっていますよ!(会田)

 

 

 

2年生合宿から~

 夏休み後の帰寮日前日、2年生は1日早く戻り、「2年生合宿」を行いました。3年生(46回生)からめぐみ館を受け継ぐ時も近づいてきましたが、2年生間のチーム作りの一つとして合宿が行われます。

0921_me01 めぐみ館内の労作からスタート。次の日からの生活が気持ちよくできるようにと、日々の清掃ではなかなか手の回らない箇所の掃除を行いました。窓ふき、テラス掃除、洗濯槽の掃除と洗濯機置場の排水掃除等です。グループに分かれて行いましたが、どのグループも段取り良く進められ、順にきれいになっていきます。特に排水掃除は、汚れもありどちらかといえば、避けたい仕事だと思います。しかし寮生はちがいます。一緒に活動している大人が必要ないくらい手際よく進めています。「はじめは、やっぱり苦手だった」と話してくれる子もいました。寮生活の中では、食事当番、トイレ掃除等自分たちで行っています。1年以上の生活を通して“心をこめて”“みんなのために”“協力しあって”の気持ちが掃除をする姿にも表れるのだと思います。きれいになった洗濯機置場の排水溝。目立たない場所の掃除も嫌がらず黙々と行う姿からも、これから寮生活の中心となっていく2年生の底力を感じました。

 10月より3年生からのぞみ寮の役割を引き継ぎ(世代交代)2年生主体に役割を担っていきます。“どのようなめぐみ館にしていきたいか”とミーティングを重ねながら、2年生47回生中心に新たに話し合いをしています。悩んだり、壁にぶつかったり、思うようにいかないことも多くあると思いますが、互いの意見を出し合いながらチーム力を広げてほしいと願っています。1年生も先輩たちの姿を通して、自分たちのできる役割を積極的に見つけて行動してほしいと願います。一人ひとりが安心して過ごしていけるよう、また、よりよいチーム作りができるようサポートしていきます。(小菅)

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~掃除の合間のお楽しみは~

休憩の「かきごおりタイム」自分たちで“かき氷器“を回し、お好みのシロップをかけ口にうれしそうに運んでいました。

 

 

 

礼拝のお話

「バレエよりも優先したいこと」         3年  N.M

 今回は私が寮に入るまでのエピソードを話したいと思います。私は去年の10月まで通学生でした。今ではもう信じられませんが、通学生の頃は朝6時45分に家を出て電車とスクールバスに乗り通っていました。そしてクラシックバレエを習っていたので、放課後は学校が終わったらすぐスタジオに行きレッスンをして、夜の10時半くらいに家に帰ってくるという生活をしていました。

 私は3歳の頃からバレエを習っていて、何よりもバレエが好きだったので優先順位はいつも学校よりバレエでした。その頃の私は、学校生活や行事にあまり真剣に取り組んでいなかったと思います。むしろ私にとっての学校は、とりあえず勉強しに行くだけのような場所でした。

 しかし毎日の敬和生活の中でだんだんと大好きだったバレエよりも、学校の方が楽しくなっていったのです。よく、校長先生などが「この学校は、自分から積極的に何事にも取り組めば取り組むほど楽しい学校だ」というようなことを言っていました。確かにその通りだなと思いました。バレエを優先すると友達と遊ぶ時間が減るし、フェスティバルの放課後や土日の活動に参加できないこと、そして部活に入っても活動に参加できなかったりすることが私は本当に嫌でした。それならバレエを休めばいいだけだったのかもしれませんが、だからと言ってバレエを中途半端にもしたくなかったので、やるならどちらかに集中したいなと考えていたのです。バレエよりも優先したいことがあるなんて本当に珍しいことでした。そう思い始めたころにちょうど友達に誘われたのが寮体験でした。寮体験はたったの1週間でしたが、そのなかでも学んだことは山ほどありました。寮体験を通して私は「せっかく敬和にいるのだから寮に入ってもっと自分を鍛えたい」と思いました。しかし、寮に入るのも初めはとっても悩みました。遅い入寮だったし、3歳から習い続けて来たバレエと学校生活のどちらをとるのかは本当にすごく悩みました。このことについては話すと終わらなくなりますが、結局私は入寮を決意し2年生の10月に寮に入りました。バレエをやめ、寮に入ったことは後悔していません。ですが未だに自分が寮にいることが信じられない時があります。多分寮生活の中で一番大変な時期であろう1年生から2年生の前期の経験を私はしていないので、1年生の頃から入寮していた今の3年生と2年生、そして1年生には本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。それでも、2年生の後半で突然入寮した私をあたたかく受け入れてくれためぐみ館のみんなには本当に感謝しています。ありがとうございます。寮に入っていなかったら、多分みなさんとここまで仲良くなることは出来なかったので寮に入って良かったと思っています。卒業まで残りわずかになってきましたが、最後までよろしくお願いします。

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 めぐみ館屋上から、阿賀野川ござれや花火鑑賞