2015年3月5日木曜日

のぞみ通信 No.206(2015年2月25日)

45回生寮修了を前に
寮長 信田 智 
今年のインフルエンザの流行は激しく、寮でも、予防接種を実施したにもかかわらず、2月21日現在37人が感染しました。そして、ようやくその勢いが収まったところです。集団生活をしているため、どうしても濃厚接触になり感染は避けられないようです。そのような状況の中で、寮務教師たちは昼夜を問わず、発熱をした生徒たちを町医者に、救急外来に、休日診療所にと足しげく伴ってくれます。そして、インフルエンザと診断された生徒を、自宅に送り届けることのできる生徒は自宅に、遠方で自宅に帰れない生徒は寮で預かり、生徒と隔離した部屋でお世話をしています。
 遠方の生徒は、病気の辛さと親の看病を受けられない切なさを味わったことと思いますが、寮務教師たちは出来る限り親身になって関わってくれています。寮務教師は通院の送り迎え、生徒宅へ送り届けるために、密閉された車の内で濃厚接触を繰り返しながら、細心の注意を払って対処してくれています。今のところ教師たちへの感染は防がれていますが、疲れから体力が落ち発熱をしながら幸いにも持ちこたえています。
 発症時期のズレ、自宅で休養できる生徒の人数、また入学試験をはさみ5連休があり、自宅に帰る生徒が多くいたこと、寮務教師の健康など、様々な要素がかみ合い、寮を閉鎖することなく何とか寮内で対応できています。保護者の皆様にありましては、お子様の健康をご心配のことと存じますが、寮務教師も至らないながら、最善を尽くしていますのでご安心頂きたく存じます。
 3年生は自宅学習期間中にあり、間もなく寮修了・卒業を迎えます。幾多の困難を乗り越え、逞しく成長してくれたことを心から感謝しています。弱々しく頼りなかった1年生の頃を思い出すと、この子がよくここまで成長したものだ、途中で投げ出さなくてよかった。あきらめさせなくてよかったと、つくづくと思う。中には、寮に入らなければ、電子機器に逃れ、自分の殻の中に閉じこもり、友達との楽しい会話の経験も少なく、寂しい高校時代を過ごしたのではないかと思われ子供たちもいます。
 寮生はここで、コミュニケーション能力を養われていきます。顔と顔とを相合わせて、自分の言葉で相手の心を感じながら対話することを、日常生活の中で求められていくうちに、心をほぐされ、解放されて自分を表現し、相手の気持ちを受け止められるようになっていくのです。更に寮生は、問題解決能力も養われていきます。同じキャンパス内に180名からの男女が共同生活をしています。4つの館それぞれに、約45名の1年生から3年生の思春期の子供達が生活していのですから、問題が起こらないはずがない。
 実は、問題が起こった時こそ教育の機会であり、お互いの成長の機会としていきます。教師も生徒も、そこから逃げずに、問題と向き合い、問題解決に向かって真剣に取り組みます。3年生たちは、そのような営みを通して確実に成長し、寮修了・卒業の時を迎えたのです。誇りをもって、のぞみ寮を巣立って、新しいステージに上っていってほしい。


寮生リレー通信  (第119回)

「スキー教室を終えて」 
 大望館 1 Y.H 
 僕は今回のスキー教室で実行委員長をしました。場所は昨年とは違い、蔵王温泉スキー場に行きました。蔵王はとても広く頂上から見える樹氷が有名です。
 スキーをやるにあたって自分に合ったコースを選びます。その中で僕は上級を選びました。上級は一日目から高い所で滑れました。最後に滑ったのが中学一年だったのでうまく滑れるか不安でした。しかし担当の先生が優しく教えてくれたのですぐに感覚を取り戻すことが出来ました。上級でしか出来ないことや難しいコースにも挑戦出来ました。上級の人達はみんな上手くて、二日目には頂上まで行き樹氷を見ました。その日はとても天候が良く眺めが良かったです。
 また実行委員長という立場なので全体に目を配る事が多く、たくさんの人の滑りを見ていました。来るまではめんどくさい、やりたくないなどと言っていた人も、いざ滑り終えてみると、楽しかった、もっと滑りたいなどと言っている人が多くいてとても嬉しかったです。
 一年生最後の泊まり行事なので、みんながより仲良くなるように努めてきました。終わってみると話したことのない人と話している光景を目にしました。実行委員長をやってよかったと思えた瞬間でした。また機会があれば委員長という立場で仕事をしたいです。

 
 
 
「全体礼拝の話」 
光風館 2 S.G 
 今日、こうしてみなさんの前でお話し出来ること、大変嬉しく思っております。
 本当は先々週の2年生だけの全体礼拝でお話する予定でしたが、流行りものにかかってしまいました。
 今回は『誠実』についてお話しします。誠実と聞いて、ピーンとくる光風館生もいることでしょう。実は今、あのTシャツを着ています。ところで、誠実な人ってどんな人でしょうか?少なくても、「自分にはちょっと当てはまらないかな」と感じる人が多いと思います。
 辞書で調べてみると、誠実とは『他人や仕事に対して真面目なこと』とありました。この辞書は、何も間違っていないと思います。しかし私は、愕然としました。Tシャツでアピールするほど大好きなこの言葉がこんなにも堅苦しい意味だったとは…。なぜか納得のいかなかった私は、誠実の『誠』と『実』に分けて、一文字ずつ調べてみました。すると非常におもしろい発見をし、私の中のはてなマークがびっくりマークに変わりました。
 まず『誠』という字には、『偽りのない』という意味があり、『実』という字には、『自分』という意味があります。繋げてみると、『偽りのない自分』となりますね。
 ここで少し話が変わってしまいますが、私には長らくある疑問がありました。それが、この『誠実』という言葉からわかったような気がします。何が私たち寮生の絆を強くしているのか?それは自分を偽らず、ありのままの姿で生活しているから。そして、それを認め合うことの出来る仲間がいるからなのです。
 今、みなさんの中で自分を偽り、よく見せようと無理している人はいませんか?それでは、残念ながら強い絆は結べないと思います。自分というのは、偽らなくていいのです。ありのままでいいのです。強い絆は必ずそこから生まれてくるはずです。それでは、みなさんには明日から自分を偽らない、誠実な心を持っていただきたいと思います。


 
「みぎわ館・三年生を送る会」              
みぎわ館 2 T.M 
 45回生と一緒に出来る寮での最後のイベント、「みぎわ三年生を送る会」。
 私たち46回生は、かなり前からミュージカルをやりたい!と発案し、冬休み明けから、「ルールブック作り」と並行して毎日「みぎわ館三年生を送る会のために劇について」ミーティングをして準備をしてきました。
 劇は去年流行した「アナと雪の女王」をベースに、「みぎわの45回生が治められている街」と言う設定で作りました。この作業はルールブックのミーティングの後という事もあり、とてもとても時間が無い中でしたが、沢山の素敵な意見をもとに、感動を与えられるミュージカルにしたい、という気持ちで練習しました。そのため、沢山の課題と衝突し、時には口論になったりもします。リハーサルといっても、全て通せた訳でもなく、凝ってしまう性格の為か時間が無いのに小道具を作ったり、ぎりぎりまで替え歌が決まらなかったりと不安もありました。これらの内容は先生にも誰にも、この日が終わるまでネタは勿論漏洩禁止でした。それでも最後には今回も例に漏れず本当に素晴らしいものが出来ました。
 そしていよいよ本番!!
 25分程の長編ミュージカルに寮祭で踊ったダンス、そして少しイケメン風に最初の部屋の先輩へ手作りの花とメッセージを送りました。3年生を感動させる事をモットー?にやり切る事が出来ました。
 47回生は47回生で、リハーサルで全員が揃わなかったりと、多少の問題もありましたが、47回生全員で「妖怪ウォッチの替え歌とダンス」、そして「三年生へのメッセージ」を披露してくれました。
 45回生3年生は今年度の最初の部屋の私たち後輩に向けてメッセージを伝えてくださいました。
 みぎわ46回生は個性的で十人、いや十五人十五色です。このような表現が出来るようになったのも45回生の方の存在無くしては有りえません。改めて感謝という言葉が身にしみた1ヶ月でした。いつでもみぎわ46のミュージカルを観にいらして下さい!オラホがみぎわ街をご案内しますよ。
 
 
 
「めぐみ館・三年生を送る会」 
めぐみ館  2 H.S 
 今年の三年生を送る会は先輩についていけば良かった去年とは違い、私たちが3年生を送り出すために自分達で考え、後輩を引っ張り、作りあげていくものでした。何をするか、どういう形で、自分達だったらどうされたいのか、というのを考えながら作っていきました。考えた結果、今年は46回生が寮祭でやったダンスと、EXILEの『道』を歌い、ケーキをみんなで食べて、伝言ゲームをしました。3年生からのメッセージつきのドッキリもありました。
 寮で三年生を送る会をする前にもめたりもしました。46回生の悪いくせがでたりもしました。でも、やるときはやる46回生と47回生なので、当日は感謝の気持ちを全力で45回生に伝えられたと思います。私たちは至らないところが多く、最後の最後まで45回生にたくさん迷惑をかけました。こんな私たちを見捨てずに最後まで面倒をみてくれた45回生のことが大好きです。今までありがとうございました。
 


寮務教師から一言
 45回生がいなくなり約1ヶ月、心なしか47回生が伸び伸びと生活しているように感じます。46回生は最高学年になる責任感からか、今までとは何か違う雰囲気で普段の寮生活や行事に取り組んでいます。今後、のぞみ寮のリーダーとしてどんな活躍をするのか今からとても楽しみです。また男子寮には新たに2名の寮生が加わりました。彼らの今後の活躍にも注目してください。
 3月2日の寮修了礼拝では、46回生、47回生、寮務教師一同心から感謝の気持ちと最高の笑顔でもって45回生を送り出したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
寮務教師:山﨑 飛鳥